テスト自動化エンジニアの重要性!日本と世界を比較したときの将来性の解説
エンジニアといっても様々な種類のエンジニアが存在します。その中でもテスト自動化エンジニアとはどのようなエンジニアなのでしょうか。システム開発におけるテスト工程といえば、単体テストや結合テスト総合テストなど開発の最終段階で実施するものが主となってきます。システムテストによって開発する製品の品質が大きく変わってきます。このようなシステム開発の中で重要なポジションを担うテスト自動化エンジニアについて解説していきます。
テスト自動化エンジニアって何をする仕事なの?
テスト自動化エンジニアの仕事内容は案件によって様々ですが、基本的には開発の生産性向上と品質向上のための業務を行います。”テスト自動化”エンジニアリングですので、ツールを活用してシステムのテストを自動で実施するための、テストの設計や計画、立案、テストケース作成を行っていきます。
また本記事では、テスト自動化エンジニアと、テスターやデバッカーと何が違うのか?について、併せて解説していきますので、さいごまで読んでみてください。
テスターはすでに用意されているテスト仕様やテストケースに従ってテストを実施して、想定される結果が得られるかを確かめます。想定外の結果や事象が発生した場合は手順や入力値と共に詳細を記録してプログラマなどにフィードバックするといったのが主な仕事となります。大きな違いとして、テスターには「すでにテスト仕様やテストケースが準備されている」という点があります。テストエンジニアやテスト自動化エンジニアはテストの設計や計画など、どのようなテストをどう行うか、そしてどのような期待値が求められるのかを設計する工程も担っています。
さらにテスト自動化エンジニアについては、「自動化可能なテストを分析・自動化する」という部分も担っています。テスターと近しい仕事内容ではありますが、自動化に対する知識や専門のスキルが必要となってきます。この知識や専門性を活用して開発するシステムの品質向上や納期短縮など、よりよいシステムを作るためにテスト自動化エンジニアは非常に重要なポジションとなっているのです。
日本と世界でのテスト自動化エンジニア市場について知ってみよう
昨今の日本国内でのソフトウェア開発市場は16.7 兆円程度、海外では120兆円程度と言われています。そして、そのソフトウェアの開発工程の中でテスト工程が占める割合が約1/3となっています。つまりソフトウェアテストの潜在市場は日本国内では約6.2兆円、海外だと約40兆円と言われいるのです。
そして、世界トップ20の第三者検証機関(ソフトウェアテストを行っている企業)を調べてみたところ、「アメリカ:14社、ポーランド:2社、ウクライナ:2社、イギリス:1社、ウルグアイ:1社」という結果になりました。日本は1社も含まれておらず、ランキング上位と数を占めていたのがアメリカで、市場規模が非常に大きいことが分かります。
その一方で、日本のソフトウェアテスト専門会社へのアウトソース率は未だ1~2%に留まっているのが現状で、ソフトウェアテストの潜在市場と市場への浸透率が世界の市場と乖離が大きいことも分かると思います。
ここまでの解説の通り、日本のソフトウェアテスト専門会社の市場はブルーオーシャンといっても過言ではないでしょう。しかし、日本にソフトウェアテスト専門の会社が少ないのか?
というとそういうわけでもありません。上場した企業だとバルテス株式会社や株式会社SHIFTなどがあり、他にも様々な企業があります。そして、どの企業も業績を伸ばしてきており、これからソフトウェアテスト専門会社へのアウトソース率はどんどん上昇していくと思われます。
これからのテスト自動化エンジニアの価値と展望 4つの重要な試験や資格も紹介
前述した通り、ソフトウェアテスト専門の第三者機関の市場はブルーオーシャン、つまりこれからの市場と言っても過言ではありません。日本国内でも第三者機関の上場企業が増えており、そこで活躍できるテスト自動化エンジニアになれれば市場価値は非常に高いと言えるでしょう。
今後の展望として、テスト自動化エンジニアというキャリアはIT業界でも重要なポジションであり、市場価値も高いものになっていくことが考えられます。そこで、テスト自動化エンジニアになるには?テスト自動化エンジニアとしての価値を高めるためにはどういったことをしていけばよいのか?を解説していきます。
【テスト自動化エンジニアになるための3つの方法】
- 手動でテストを実施する業務に携わる
テスト自動化エンジニアになりたいからといって、いきなりソフトウェアテストを自動化するのは非常に難しいと思います。なぜなら、そのソフトウェアテストが自動化できるものなのか?といったソフトウェアテストに関する知識やスキルを備える必要があるからです。備えるべき知識はテスト設計やテスト計画、テストケース作成やテスト実施など多岐にわたります。これらの知識を備えるためには、ソフトウェアテストの案件を実際に経験していくことが重要です。
- ソフトウェアテストの資格の取得
この内容は1番と並行で行う、もしくは1番に入る前に取得していてもよいと思います。資格を持つことで知識を深めることができ、行える仕事の幅も広がり、テストエンジニアとしての価値が高まります。
テストエンジニアとして取得しておくと良い試験や資格は4つあります。これは重要な試験ですよ。
【テストエンジニアとして取得しておくとよい4つの試験】
まず1つ目は、「JSTQB認定テスト技術者資格」です。
こちらは、テスト設計や分析、テスト工程のマネジメントなどの知識を習得できる資格です。ISTQBと連携しているため、海外でも通用する資格となっており、テストエンジニアとして取っておきたい資格となっています。
2つ目は、「IT検証技術者認定試験(IVEC)」です。
ソフトウェアの検証に関する知識を習得できる資格です。IT検証技術者認定試験には、「エントリーレベル」「ミドルレベル」「ハイレベル」の3つのレベルが用意されています。
3つ目は、「基本情報技術者試験」です。
テストエンジニア以外のエンジニアの方も取得した方がいい資格となっており、ITエンジニアに求められる基礎知識を幅広く習得することができます。ハードウェアやネットワークの仕組み、ソフトウェア開発手法、テスト技法などが範囲に含まれており、テストエンジニアに求められる基礎知識を身につけることができます。
4つ目が、「ソフトウェア品質技術者資格」です。
テストエンジニアにおすすめの資格「ソフトウェア品質技術者資格」は、ソフトウェアの品質向上技術に関する知識を習得できる資格です。ソフトウェアの品質全般に関する知識が問われます。具体的には、品質の概念やソフトウェア品質モデル、品質マネジメント、セキュリティ、リスクマネジメント、レビューマネジメントなどです。こちらの試験は、リーダーやマネージャー向けの内容となっていますが、リーダー職以上へのキャリアアップを目指す際に役立つでしょう。
- テスト自動化を行うためのプログラミング能力をつける
テスト自動化エンジニアはテストエンジニアと違って、ソフトウェアテストを自動化するためにプログラミングやコーディングを行います。案件によって使用するプログラミング言語は様々なので、そこに合ったプログラミング言語を活用できるようになるのが必要です。
また、テストを自動化させるツールも活用することが多くなるため、ツールの使い方などの知識も併せて習得していくのが大事です。プログラミングは実務で携わることができますが、携わるために一定の知識が必要となりますので、業務後の隙間時間などに勉強したりプログラムを作成してみたりする必要があります。
他にも様々な手法でテスト自動化エンジニアになり、エンジニアとしての価値を高めることができますが、まずは上記のテスト自動化エンジニアになるための3つの方法を実施してくことが大事だと私は考えます。
まとめ
「テスト自動化エンジニアの重要性!日本と世界を比較したときの将来性の解説」と題しまして、テスト自動化エンジニアの日本での市場価値や海外との比較を行い、将来性についても解説してまいりました。
IT業界でのシステム開発におけるテスト工程はシステムの品質を高める非常に大事なポジションになっています。日本での第三者機関のアウトソース率はまだまだ低いため、テスト自動化エンジニアになることは非常に価値の高いものとなっています。将来性のあるシステムエンジニアになってみたい、広いIT業界でも価値の高いエンジニアになりたい、AIや自動化に関する仕事についてみたいなどの目標がある方はぜひテスト自動化エンジニアを目指してみてはいかがでしょうか?
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