ローコードテスト自動化ツール T-DASH

ローカルテストを簡単にする便利ツール!フェーズ毎に19選

開発時において、テストはさまざまなフェーズに分かれて行われます。そして、その多くはローカル環境で行われます。ローカル環境で適切にテストされたコードをリポジトリにマージし、CI/CDパイプラインを通して本番環境にデプロイするという流れが一般的です。

本記事では、ローカルでのテストを簡単にする便利ツールを、そのテストフェーズごとに分けて19製品をご紹介いたします。これらのツールを活用すれば、開発者はローカル環境でのテストを効率的に行えます。そして、品質の高いコードを迅速にリリースできるでしょう。

ローカルでのテストフェーズとは?

ローカルでのテストフェーズは、主に以下の2つに分かれます。それぞれフェーズで行うテストの一例をあげます。

単体テストフェーズ
・ユニットテスト

統合テストフェーズ
・UIテスト
・APIテスト

他にもテストとしては、負荷テストやセキュリティテストなどもあります。しかし、これらはステージングや本番環境に対して行われるのが一般的なので、本記事では対象外としています。

ユニットテストの便利ツール

ユニットテストは、コードの一部(関数やクラスなど)が正しく動作するかを確認するテストです。これは通常、プログラミング言語ごとにテストフレームワークが用意されています。

Jest

Jestは、JavaScriptのテストフレームワークです。Facebookが開発し、ReactやNode.jsなどのプロジェクトで広く利用されています。Jestはシンプルで使いやすいAPIを提供し、スナップショットテストやモックなどの機能も豊富です。TypeScriptとの相性も良く、型安全なテストを書くことができます。

Jestの主な特徴として、ゼロコンフィグ(設定不要で使える)や、独立性(テストを並列実行できる)があります。また、Facebookが開発していることもあって、ReactのUIコンポーネントテストにも使えるスナップショットという機能も便利です。

RSpec

RSpecはRubyのテストフレームワークです。RSpecは、BDD(Behaviour Driven Development。振る舞い駆動開発)のスタイルでテストを書けます。RSpecは、RubyのDSL(ドメイン固有言語)を利用して、自然な英語に近い形でテストを書けるのが特徴です。

RSpecは2005年から開発がはじまっており、長い歴史があります。そして、Ruby on Railsなどのプロジェクトで広く利用されています。モックを提供する `rspec-mocks` や、コードスタイルをチェックする `rubocop-rspec` など、多くのプラグインがあり、テストを効率的に行えます。

JUnit

JUnitはJavaのテストフレームワークです。JUnitは、Javaのテストコードを書く際に必要な機能を提供しています。JUnitは、Javaの標準的なテストフレームワークとして、多くのJavaプロジェクトでの利用実績があります。

単体での利用も可能ですが、多くの場合EclipseやIntelliJ IDEAなどのIDEと連携して利用されます。また、ビルドツールであるGradleやMavenと連携して使われることが多いでしょう。

`@Test` や `@Before`、`@After` などのアノテーションを使って、テストコードを書きます。これらのアノテーションは、テストの実行順序や前後処理を指定するのに利用し、可読性の高いテストコードを実現できます。

UIテストの便利ツール

UIテストは、ユーザーインターフェースが正しく表示されるかを確認するテストです。ユーザー操作をシミュレートし、画面で入力や操作を行います。そして、最終的な結果画面の表示内容をテストし、期待通りの挙動をするか検証します。

Selenium

Seleniumは、Webアプリケーションの自動テストを行うためのツールです。Seleniumはブラウザを自動操作して、ユーザーが行う操作を再現します。WebDriverというAPIを提供しており、それを使ってブラウザ操作を行います。WebDriverは各ブラウザ向けに提供されており、Chrome、Firefox、Safari、Edgeなどのブラウザに対応しています。もちろんスマートフォンのブラウザでもテスト可能です。

Seleniumをベースとして、モバイルアプリのテストに対応したAppiumもあります。

Cypress

Cypressは、モダンなWebアプリケーションのためのテストフレームワークです。CypressはSeleniumと比較されることの多いソフトウェアで、WindowsとmacOS、Linux向けに提供されています。

Cypressは、ブラウザの中でテストを作成・実行するため、テストの実行結果をリアルタイムで確認できます。できあがったコードをローカルで実行するだけで、回帰テストを簡単に行えます。

Playwright

Playwrightは、Microsoftが開発したブラウザ自動化ツールです。ブラウザテストとスクレイピングが可能です。PlaywrightはChrome、Firefox、WebKit(Safari)に対応しており、共通したAPIでこれらのブラウザを操作できます。CypressやSeleniumと比較して、ブラウザ操作が高速であることが特徴です。

PlaywrightはNode.jsだけでなく、PythonやC#、Javaといったプログラミング言語で利用できます。HTTPだけでなく、WebSocketやWeb Workerなどの仕組みもサポートしています。

T-DASH

T-DASHはテストコードを書くことなく、エンジニアでなくともWebアプリケーションの動作確認や検証を行えるツールです。WindowsアプリケーションやCI/CDにも対応しています。

テストケースは日本語で記述できるので、誰にとっても分かりやすいのが利点です。T-DASHはマウス操作が多く、UI/UXがエンジニア以外の方にも使いやすくできています。

APIテストの便利ツール

APIテストはAPIの機能や性能、負荷や信頼性やセキュリティが水準を満たしているのか確認するテストです。

機能テスト、結合テスト、性能・負荷テスト、セキュリティテスト、コントラクトテストなどさまざまなテストタイプが求められます。

Thunder Client

Thunder Clientは、Visual Studio Code上で動作する軽量かつ高速なAPIテストツールです。

直感的なインターフェースで、RESTful APIのテストを簡単に実行できます。

VS Codeの豊富な拡張機能との連携もスムーズに行えるため、開発環境との一体感が高いのが特徴です。

環境変数やコレクション機能も備えており、複雑なテストシナリオの作成も可能です。

Talend API Tester

Talend API Testerは、Chromeの拡張機能として提供される無料のAPIテストツールです。

このツールは、GET、POST、PUT、DELETEなどのHTTPメソッドをサポートし、ヘッダーやパラメータの設定も容易です。

リクエストを送信すると、レスポンスがリアルタイムで表示され、ステータスコードやレスポンスボディを確認できます。

また、JavaScriptを使用して複雑なテストシナリオを自動化することも可能です。

Karate

Karateは、APIテスト自動化に強いオープンソースのツールで、特にBDD(ビヘイビア駆動開発)スタイルのテストになります。

Gherkinの文法を使用した、自然言語に近い記述でテストケースを作成できるため、開発者だけでなく、ビジネス担当者もテスト内容を理解しやすくなります。

APIテストだけでなく、UIテストも統合して実行できるため、エンドツーエンドのテストシナリオを作成することも可能です。

Postman

Postmanは、API開発者にとって最も有名なツールのひとつです。

リクエストの作成、送信、レスポンスの検証など、APIテストに必要な機能を網羅しており、直感的な操作で簡単にテストを実行できます。

コレクション機能により、複数のリクエストをグループ化して管理できるため、テストケースの整理が容易です。

また、豊富なプラグインやスクリプトによって、機能を拡張することも可能です。

Apidog

Apidogは、API設計、デバッグ、モック、テストを一体化した包括的なプラットフォームです。

このツールは、APIのライフサイクル全体をサポートし、効率的な開発を促進します。

Apidogは、SwaggerやOpenAPIなどの仕様書をサポートし、視覚的に魅力的なAPIドキュメントを生成できます。

また、モックサーバー機能を提供し、開発とテスト段階で仮想APIサーバーを迅速に構築可能です。

さらに、CI/CDパイプラインとの統合も容易で、APIの自動化テストやパフォーマンステストをシームレスに行えます。

SoapUI

SoapUIは、SOAPとRESTの両方のAPIテストをサポートする老舗のツールです。

このツールは、幅広いプロトコルをサポートし、APIの機能テスト、セキュリティテスト、負荷テストを一つのプラットフォームで実行できます。

ユーザーフレンドリーなインターフェースにより、初心者でも簡単にAPIテストを開始でき、複雑なシナリオをシミュレーションできるモックサービスも提供しています。

モックサーバーの便利ツール

モックサーバーは、外部APIやサービスとの通信をシミュレートするためのサーバーです。外部サービスが利用できない場合でも、テストを実行できます。モック機能を含んだユニットテストフレームワークもありますが、モックサーバーであればプログラミング言語やフレームワークに依存せず、独立して利用できます。

json-server

json-serverは、JSON形式のデータを使ってモックサーバーを立ち上げられるツールです。RESTful APIをシミュレートして、データのCRUD操作を行えます。また、リクエストに対してレスポンスを返す際に、遅延させるなど細かな設定も可能です。

利用する際には、JSON形式のモックデータを準備します。そのデータを読み込んで自動でRESTful APIを生成します。json-serverはNode.jsで動作し、npmパッケージとして提供されています。

graphql-tools/mock

graphql-tools/mockはGraphQLのモックサーバーです。あらかじめ作成してあるスキーマに基づいて、GraphQLサーバーを立ち上げます。また、サンプルデータを作成しておくことで、リクエストに対して適切なレスポンスを返します。

スキーマは開発しているサーバーから取得できるので、後はテストデータを用意すればすぐにモックのGraphQLサーバーを立ち上げられます。

WireMock

WireMockは、HTTPリクエストに対してスタブを返すモックサーバーです。RESTful APIやSOAP APIなど、さまざまなAPIに対応しています。また、リクエストに対して適切なレスポンスを返すだけでなく、リクエストのヘッダーやクエリパラメーターに応じてレスポンスを変更する設定もできます。

WireMockは単にモックサーバーとして使うだけでなく、プログラミングからのAPIアクセスをキャプチャもできます。APIサーバーへ正しいアクセスが行えているか、検証するのにも利用できます。

総合テスト

統合テストは、複数のコンポーネントやサービスが連携して正しく動作するかを確認するテストです。ローカル環境では、Docker ComposeやTestContainersなどを使って、複数のコンポーネントを組み合わせてテストします。

TestContainers

Testcontainersは、Dockerを使ってアプリケーションのテストを行うためのライブラリです。Testcontainersを使うと、テスト用のコンテナを動的に起動してテストを行えます。例えば、データベースやメッセージキュー、外部APIなど、テストに必要なコンテナを簡単に起動できます。

このコンテナはテスト用なので、テストが終われば自動的に削除されます。また、コンテナの起動や停止、状態の確認などを簡単に行えるAPIが提供されているので、テストコードから簡単に操作できます。

Docker Compose

Docker Composeは、複数のDockerコンテナをまとめて管理するためのツールです。Docker Composeを使って複数のコンテナを定義し、一括で起動・停止・削除することができます。また、コンテナ間のネットワーク設定や環境変数の設定も行えます。

Docker ComposeもTestcontainers同様、テスト用のコンテナを動的に起動してテストを行うのに便利です。Docker Composeを使えば、本番環境に近い状態でテストを行えます。コンテナデータも永続化(または破棄)できるので、テストデータの管理もしやすくなります。

LocalStack

LocalStackは、AWSをローカルでシミュレーションするツールです。LocalStackを使って、エンドポイントURLを変えるだけで、AWSと似たリソースを作成できます。例えばS3やDynamoDB、SQSなど、多くのAWSサービスに対応しています。

AWSを利用する開発では、各開発者ごとにAWSアカウントおよび環境を用意します。これは、手間とコストがかかります。LocalStackを使えば、ローカル環境でAWSを模したサービスを利用できるので、開発効率が向上します。保守対象を絞り込めます。また、テストスクリプトの定期的なリファクタリングも重要です。

まとめ

「ローカルテストを簡単にする便利ツール!フェーズ毎に19選」と題してまして、本記事では、ローカル環境でのテストを効率的に行うためのツールを紹介しました。ユニットテスト、UIテスト、統合テストなど、テストフェーズは様々です。それぞれのフェーズに合わせたツールを使うことで、開発者は品質の高いコードを迅速にリリースできるでしょう。

ローカルであればテストの実行速度は速く、デバッグも容易です。また、CI/CDパイプラインを通す前にローカルでテストを行うことで、不具合を早期に発見できます。これらのツールを活用し、高品質のソフトウェアを開発を行っていきましょう。

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