ローコードテスト自動化ツール T-DASH

リグレッションテストとデグレードテストは一緒なの?違うの?

リグレッションテスト・レグレッションテスト・回帰テスト・退行テスト・デグレードテスト・ノンデグレードテスト・無影響確認テスト、同じかな?というワード達。特に、リグレッションテストとデグレードテストは同じ意味で使われているのでしょうか?一緒に考えてみましょう!

リグレッションテストの類似(?)表現はたくさんある

ひとまず、リグレッションテスト・デグレードテストが同じかどうかは置いておきまして、リグレッションテストと同じなの?と迷う表現を集めてみました。こんなにありました!

【リグレッションテストの類似表現】

  • リグレッションテスト
  • レグレッションテスト
  • 回帰テスト
  • 退行テスト
  • デグレードテスト
  • ノンデグレードテスト
  • ノンデグテスト
  • 無影響確認テスト

いくつか英語が出てきましたので、英訳を紹介します。

リグレッション/レグレッション(Regression)      :回帰・退行 

デグレード(Degrade)                             :劣化する・退化する

リグレッションテストとデグレードテストは一緒なの?違うの?

ズバリ!リグレッションテストとデグレードテストは同じです。

また、回帰テスト・退行テスト・デグレードテスト・ノンデグレードテスト・ノンデグテスト・無影響確認テストも同じ意味で使われます。

<用語の意味>

機能の追加・変更でプログラムの一部を修正した時に、元々うまく動いていたところに悪影響が出ていないかを確認するテストのことです。

英訳では、デグレードテストよりノンデグレードテストの方が、ピンときますね。デグレードを修正したときのテスト(それだけを修正するというとレアなケースですね)に、おそらく名前は付けないでしょう。ということで、デグレードが起こっていないことのテスト、ノンデグレートテストの省略系と考えると覚えやすいのではないでしょうか。私はまだ、現場で「デグレードテストをしてください。」とか聞いたことはありません。

上記で取り上げた各用語をJSTQBのシラバスで調べたところ、”リグレッションテスト”のみヒットしました。変更関連のテストの項目に下記の2つのワードがあります。

(JSTQB:ソフトウェアテスト技術者資格のひとつ)

変更関連テスト

  • 確認テスト                :欠陥が確実に修正されたことの確認
  • リグレッションテスト   :機能の追加変更による意図しない副作用を検出する

おそらく多くの現場では「確認テストとリグレッションテストをします。」という言い方はせず、「リグレッションテストをします。」と言うのではないでしょうか。プログラムを修正したときに行うテストを“リグレッションテスト”という感じで使っているとすると、“リグレッションテスト”のイメージは、用語の意味よりも広がりを持って使われています。

それに対し、“デグレードテスト”はあまり耳にしません。身近なのは“デグレード”や”デグレ”です。修正したバグが復活していること(先祖返り)を指す言葉として使います。こちらの使われ方が浸透していることから、“デグレードテスト”は、デグレのそのバグ自体に焦点が合うような狭まったイメージになるのではないかと思います。

これらの“リグレッションテスト”と“デグレード”というワードの使われ方が、デグレードテストがリグレッションテストと同じ意味に感じない理由かもしれません。そしてリグレッションテストとデグレードテストは一緒なの?違うの?という疑問を生む一因になっているのではないでしょうか。

ちなみに、 修正したバグが復活していること(先祖返り)を指す言葉として“デグレ” が浸透していると書きましたが、英語圏のIT業界では「後戻り」などを意味するRegression(リグレッション)を使うそうです。

みんなが使っているワードを調査・発見!

同じことを指す言葉がたくさんありましたが、どれが一番よく使われているでしょうか?私の身近なところでは“リグレッションテスト”が使われていますが、リサーチ範囲が限定的すぎますね。

そこで、Google キーワードプランナーで検索されているキーワードを調査しました。検索ランキングイコール“一般的に使われているワードだ“とは言いきれませんが、見聞きする機会の多い言葉なのではないかと推察します。結果は以下の通りです。直近1年の検索を分析されたデータになります。

<Google キーワードプランナーでの検索ボリューム 月間平均>

  • リグレッションテスト          6,600回
  • 回帰テスト                            1,600回
  • レグレッションテスト          880回
  • 退行テスト                            210回
  • デグレードテスト                  210回
  • ノンデグレードテスト             20回
  • 無影響確認テスト                     20回
  • ノンデグテスト                         0回

データ出力日:2022/06/20

“リグレッションテスト”と” レグレッションテスト”は、発音の違いだけなので合わせて7,480回と断トツで検索されていました。

また、JSTQBではRegressionの訳語が変更なっています。

 2011年度版 回帰 → 2018年度版 リグレッション

これも“回帰テスト”より“リグレッションテスト”の方が一般的になってきているということの現れかもしれません。

まとめ

リグレッションテストとデグレードテストは同じ意味でした。

いろいろと表現はありますが、“リグレッションテスト”がよく使われている言葉だと思われます。

リグレッションは、機能追加・変更などの際に必ず行うテストです。既存の機能の確認を行うため、テストケースは繰り返し利用できます。近年、繰り返し行うテストを自動化する動きが加速しています。

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※本記事は2022年6月30日の情報を基に作成しています。記事に関する詳しいご質問は、記載している各参考サイトへお問い合わせください。

<参考文献>

JSTQB FL シラバス
https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_Version2018V31.J03.pdf
<参考サイト>
https://www.fenet.jp/infla/column/technology/it%e7%94%a8%e8%aa%9e%e3%81%ae%e3%83%87%e3%82%b0%e3%83%ac%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f%e3%83%87%e3%82%b0%e3%83%ac%e3%81%ae%e5%85%b7%e4%bd%93%e4%be%8b5%e9%81%b8%e3%82%84%e5%af%be%e7%ad%96%e6%b3%954/