スマホアプリのテスト自動化：メリットとデメリットを理解しよう

スマホアプリのテストは、アプリケーションの品質を確保し、問題を特定するために不可欠な作業です。しかし、手動でテストを実施する場合、時間とリソースの負担がかかってしまうなど、多くの課題があります。そこで今、テスト自動化が注目を浴びています。近年ではテストの手法にも変化が現れ、テストを繰り返し実行することが増えてきました。しかし、もっとうまくテストを自動化することができれば、人的負担を減らし、コストも削減できる可能性があります。

本記事では、スマホアプリのテスト自動化におけるメリットとデメリットについて詳しく解説します。

テスト自動化がなぜ注目を集めているのか？

ソフトウェアテストはシステム開発の最終段階で、品質を保証するために求められる大事な工程です。そして昨今は速いスピードのシステム開発や、効率の良いソフトウェア開発が求められています。

つまり、高速システム開発や効率的なソフトウェア開発が重視されている今、新機能や新サービスを安定的にリリースしていくためには、システム全体を迅速に開発し成長させつつ、過去にリリースしたシステムの品質担保が重要になります。

このような背景からテストの自動化は、高品質なソフトウェア開発のニーズとともに、短期間、低コストでテストを実行できることから、大きな注目を集めているのです。

スマホアプリテストを自動化する３つのメリット

スマホアプリのテスト自動化を行うことで得られるメリットを3つご紹介いたします。

1．コストを押さえつつ品質保証が可能

手動でテストを行うと多くの労力と時間などコストがかかってしまいます。また何らかの要因で人的リソースが減ってしまうなどの事態や、急な納期変更によって予定のテストが行えないという状況が起こります。そしてテストが不十分な箇所が原因でシステム障害が発生すれば品質保証とは言えません。

テスト自動化では、繰り返し実行する必要のあるテストケースを自動化します。このような方法により、人手による手動テストよりも効率的にテストを実施できます。また、テストスクリプトを作成し、複数のスマホでテストを同時に実行できるため、時間とリソースを節約することも可能です。

2．ヒューマンエラーを防止できる

人手によるテストでは、テスターの個人的な判断により結果が変わるなど、ヒューマンエラーがつきものです。しかし、テスト自動化はテストケースが常に同じ方法で実行されます。そのためヒューマンエラーを防止でき、品質向上につなげることができます。

3．カバレッジを拡大できる

テストをシステムによって自動化することで、多くのテストケースを網羅的に実行できます。手動テストでは時間とリソースの制約から、すべてのテストケースをカバーすることが難しい場合があります。しかしテスト自動化により、人の手より高速かつ正確にテストを実施することができます。また自動テストのため休業日や深夜など時間帯にとらわれずにテストできるというメリットも存在します。

テストを自動化する３つのデメリット

先ほど紹介したように、スマホアプリのテスト自動化には多くのメリットがあります。しかし一方で、いくつかデメリットも存在します。スマホアプリを自動化する際に把握しておかなければならないデメリットについてご説明いたします。

1．導入と維持にコストがかかる

テスト自動化を導入するには、ツールの選定やスクリプトの作成などに時間とコストがかかる場合があります。特に複雑なアプリケーションやテストシナリオの場合、準備にはより多くの時間が必要です。

2．保守運用が必要

自動テスト導入直後に結果は出ず、長期にわたって運用することで効果が得られます。長期にわたって運用するためには、自動化したテストの保守が必要となり、そのためのリソースの確保も求められます。
またスマホアプリの開発では、UIの変更が頻繁に発生する場合があります。テスト自動化では、UI要素の変更に対応することも求められます。またUIの変更があると、既存のテストスクリプトを修正する必要もあるでしょう。これにより、テスト自動化のメンテナンスが増える可能性があります。