ローコードテスト自動化ツール T-DASH

テスト自動化のメリット・デメリットとは?推進するためにやるべきことも解説

テスト自動化を導入するにあたり、メリット・デメリットを十分把握することが成否を分けるポイントと言われています。導入のリスクや効果が見込まれる削減コストなどを事前に把握できれば、テスト自動化の導入も進めやすくなるのではないでしょうか。そこで本記事では、テスト自動化のメリットとデメリットを整理し、テスト自動化を推進するためにやるべきことを解説していきます。

テスト自動化のメリット

テスト自動化を導入するためにはメリットとデメリットをまず把握し、テスト自動化を推進するためにやるべきことを理解すれば、成功に近づきます。まずはメリットから解説していきます。

メリット1. リリースのスピードアップが可能

テスト実行の時間短縮により、より早くバグを見つけ出し修正するサイクルを速くすることが可能です。

メリット2. テスト実行の工数を削減が可能

手作業では負担の大きかった作業を自動化することで、テスト実行の時間短縮に加えて人間の作業が削減され、コスト削減を見込めます。

メリット3. バグの見落としなどの人為的ミスを防止が可能

熟練のテスターと経験の浅いテスターとでは、テスト品質のばらつきが出てきます。テスターの経験によって左右されます。また、人によって実施方法や確認方法が異なります。繰り返しテストを行うことによる集中力の低下、作業の引き継ぎ時に発生する連携ミスなどの人的ミスを防止できます。そしてミスによるテストの失敗・テスト品質の低下を防ぐことができます。自動化により決められた工程が設定された通りに間違いなく実行されます。

メリット4. 実行速度が手動テストと比べて高速で、多くのテストを実行可能

人間は、体調や疲労、余裕の有無によっても、モチベーションが異なります。繰り返し値を入れ替えて検証する場合等、何度も同じ操作を繰り返す作業では動きは鈍くなり集中力は極端に低下します。集中力が低下した状態ではバグの見落としを起こす可能性があります。

しかしながら、自動化ツールには感情はありません。常に正確です。例え、何日もかかる何万パターンというテストケースでも休むことなく、正確に実行してくれます。

メリット5. プログラム作成・修正後、すぐに実行可能

1度テスト自動化を作成してしまえば、プログラムの修正が入った後でも、同じテスト内容をすぐに実行することが可能です。

メリット6. 夜間や休日など、人間が休んでいる間にテスト実行可能

24時間昼夜問わずテスト実行することが可能です。人が休んでいる間もテストを実行できます。IT人材不足と言われるなか、テスト要員のコスト削減できます。

メリット7. PC台数を増やして並列実行してテスト実行時間を短縮可能

テストの性質として、負荷をかけるだけのデータ量の準備や、必要な負荷のアクセス数を再現することが手動では難しくなります。能力や経験に左右される人とは違い、テスト自動化はPCを増やしただけのパフォーマンスを発揮することができます。PCを増やせば、並列でさまざまなテストを実行できるようになります。

メリット8. 全体のコスト削減よりもスピードアップに効果があります

テスト自動化導入時には、どのテストを自動化するかなど、ある程度の時間とコストをかける必要があります。費用と工数はかかりますが、テスト自動化によりバグの発見修正の時間短縮がリリーススパンのスピードアップにつながります。

テスト自動化のデメリット

テスト自動化にはメリットがある反面、デメリットも存在します。それでは次にテスト自動化のデメリットについて、考えていきましょう。

デメリット1. テスト自動化にはコストがかかる

テストを自動化する場合でも手動テストと同様に、テストを作成する必要があります。さらにテスト自動化に合わせたテストを検討しなければいけません。

デメリット2. テストの暗黙知を自動化することはできない

人は行間を読むことができたり、事前の知識があったりと見えない部分を認知できます。テストを自動化するとなると、人が認知していることをテスト自動化の手順に落とし込む必要が出てきます。そのようなテストの暗黙知を自動化させることはできず、その暗黙知を書き出すことは、手間とコストがかかってくる部分です。

デメリット3. テスト自動化は全てのテストを網羅できない

テスト自動化には向かないテストが存在します。全てのテストを自動化するのではなく、課題解決を重視した手段をとることが必要です。流行りのツールや多くの企業で採用されるシステムが必ずしも合うとは限りません。テスト自動化が目標でなく手段として、目的に合った選択を行うことが重要です。

デメリット4. テストの作成は手動

一般的にテストを自動化することはテスト実行のフェーズを自動化することを指します。その前のフェーズであるテスト設計やテストケースの作成を行う必要があります。そのため、初期導入時、改修時にもそれらの工数が必要になります。場合によっては手動テストの方が、メリットが大きい場合もあります。

デメリット5. テスト自体の保守も必要

自動化の弊害として、ソフトウェアのアップデートでテスト内容が変更になると、自動化したテストが動かなくなる場合が発生し、テスト自体を理解して修正する必要が出てきます。そのため、導入に際しては作成したシナリオの長期的なメンテナンスも視野に入れて導入を進めなくてはなりません。運用時のメンテナンスが十分できずに導入に失敗するのはよくあるパターンです。

デメリット6. テスト内容が誤っていてもわからない

手動のテストでは、テスト自体の誤りにテストの時点で気づく可能性が高いです。しかし、自動化では、指示された作業を繰り返すため指示内容が誤っていても止まることなくテストを続けてしまいます。場合によっては製品がリリースされてからテストが誤っているケースに気づくという事態が発生する可能性があります。

テスト自動化を推進するためにやるべきこと

これまではテスト自動化のメリット・デメリットについてご説明して参りました。テスト自動化を導入する際には、これらのメリット・デメリットも見据え、対応策を検討しながら計画を進めていきましょう。ここからはテスト自動化を推進するためにやるべきことをご紹介します。

やるべきこと1. テスト自動化の導入目的とリスクの事前調査

テスト自動化の導入には、人が暗黙知にやっていたテストを書き出す必要があり、手動テストに比べて導入コストがかかります。また、運用時にはテスト自体のメンテナンスも発生するなどのリスクを考慮する必要があります。

全てのテストを自動化することはできません。テスト自動化自体が目的ではなく、手段として

どの範囲を、どの機能を、どのテストケースを自動化するという目的を設定します。

やるべきこと2. テスト自動化に対する 対策・方針を定め、関係者へ共有

自動化の効果を最大限に得るためには、戦略が必要不可欠です。また関係者全員が同じ目的、目標を掲げて、同じ方向に突き進むことがとても重要となります

テスト自動化に関わるメンバー全員で、リスクに対する対策や方針を含む自動化に関するすべての情報を集約し共有することで、現実的な目標や方針が見えてきます。

やるべきこと3. 自動化が適していそうなテストを選定します

テスト自動化を導入する際にかかる初期コストは想像以上に高額となることがあります。自動化を適用することが本当に妥当か否かをきちんと判定する必要があります。

費用対効果を得るためには自動化に向いているテストケースか否かを見極め、自動化に向いているテストケースのみを選択して、可能な限り工数を削減させることがとても重要です。自動化に適さないテストケースは一旦除外しましょう。直近で仕様変更はないであろう機能や、単純なテストケースから自動化を導入することをおすすめします。

やるべきこと4. 自動化するテストの手順の再確認

作業やプロセスを自動化したい場合、まず手順書の再確認を行います。自動化したい箇所の大小問わず、明確な作業フローを確認することが自動化テスト作成の第一歩です。

人間が作業していて面倒な箇所、マンパワーが増大している箇所、手順書に無い判断を人間が行っている箇所、複雑で難しい操作を行う必要がある箇所は、自動化によって解決すべき問題が潜んでいます。

より費用対効果を得るために、年に数回のリリースがあり、何度もテストを実行する可能性があるテストを選定してみましょう。

やるべきこと5. 自動化するテストの保守・運用方針を定める

自動化されたテストは、ちょっとしたタイミングによって操作にズレが生じ、意図しない操作となりNGとなることがあります。そのような場合、待機時間を追加したり、画面遷移やデータ表示を待つようにしたりするなどのチューニングが必要です。

また、改修に伴い自動化するテストのメンテナンスも必要になります。あわせて仕様変更により、自動化工数も必要になるという認識をメンバー間で持つことが重要です。これらを含め、費用対効果を十分に得られるよう、保守・運用方針を定めましょう。

やるべきこと6. テスト自動化の導入は第三者へ相談することも有効

テスト自動化導入にあたり、何ができて、何ができないかを判別する問題の切り分けが一番難しいところです。導入する前段階で、自動化の適合性や効果、コストメリットなどを検証することがテスト自動化の成功の決め手になります。

テストの経験と実績がある第三者へ、テスト自動化のフィジビリティスタディ(効果検証)のアウトソーシングを行うことで、自動化の問題を客観的に数値化して評価できます。導入前に自動化の適合性や適正なコストがわかり、自社だけの判断よりもテスト自動化導入の失敗を防ぐことができます。

まとめ

テストの自動化にはメリットとデメリットがあり、自動化で大きな効果を得るには導入前の準備が重要です。テスト自動化におけるリスクを十分に把握し、費用対効果が十分に得られる可能性が十分に高いテストケースから自動化していきましょう。 誰でもカンタンにテスト自動化ができる時代は、すぐそこまできています。当サイトでは、テスト自動化ツールに興味のある方へ、「テスト自動化 推進ガイドブック」と「テスト自動化ツールT-DASH 基本ガイドブック」のダウンロード資料をご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご覧ください。