テスト自動化ツール6製品を徹底比較 無料・フリー・OSSではどれがいいの?
開発現場はテスト工程の生産性を上げて、QCD向上(品質・コスト・進捗)をさせたいと考えています。そのひとつの手法がテスト自動化ツールの活用です。しかし、テスト自動化は‘失敗しやすい’‘難しい’と感じているテスト担当者も多いようです。その理由を振り返りながら、「これまでの一般的なテスト自動化ツール」と「これからのテスト自動化ツール」を徹底比較し、テスト自動化ツールの特徴や機能、基本機能を解説していきます。
テスト自動化ツールのトレンドとは?まずは特徴や機能、基本知識
ソフトウェアテストにはテスト計画から、テスト設計、テスト実行、そして管理レポートの作成など様々な作業があります。特にソフトウェアの単機能テストや受入テスト、ユーザービリティテストは多くのテスト担当者が関わり、品質向上のためにテスト作業工程を繰り返します。
このようなテスト作業工程を自動化することで、生産性や品質を向上させるのがテスト自動化ツールです。テスト担当者は工数を減らせ、ユーザー側はコストを削減でき品質を向上させられるテスト自動化ツールは、まさに効率化ができるツールなのです。
しかし、すべてのソフトウェアテストにテスト自動化ツールが導入され、普及が広がっているかというとそうではありません。その理由はなぜなのでしょうか?まずはテスト自動化ツールの特徴や機能などの基本知識を整理してみましょう。
【これまでの一般的なテスト自動化ツールの特徴・機能】
- 開発言語やコマンドを叩いてプログラミングをするタイプのテスト自動化ツール
- 専用のエディターを開いて、細かく設定するテスト自動化ツール
- キャプチャ/リプレイツール/プレイバックツールで操作を記録して再生するテスト自動化ツール
- 用意されているライブラリを使って、コーディングをするタイプのテスト自動化ツール
このようなテスト自動化ツールは、無料で使用できるフリーソフトやオープンソースソフト(OSS)に多く見られます。つまりテスト担当者がプログラムコードを書いて、テストケースを作成し、自動化スクリプトを自動生成していくのです。これではテストの実施手順は、コード上から確認するしかなく、誰でも簡単に利用や確認はできません。開発エンジニアであればコードを書くことには慣れていますが、テストエンジニアはテストを実行することが専門であり、コードを書くのは不向きです。このような背景からテスト自動化ツールの普及が進んでいないのです。
しかし、これまでのテスト自動化ツールの難しさを解消し、もっと簡単に使えるテスト自動化ツールが登場しています。これからのテスト自動化ツールのトレンドと言えるでしょう。
【これからのテスト自動化ツールの特徴・機能】
- マウス操作やボタンを押していくだけのGUI化されたタイプのテスト自動化ツール
- コードを書くのではなく、日本語でテストケースを書くだけでスクリプトが作成されるタイプのテスト自動化ツール
このようなテスト自動化ツールであれば、もっと多くのテスト自動化が実現できないでしょうか?そこでテスト自動化ツール5製品を徹底比較し、無料・フリー・OSSではどれが便利で使いやすいのかを解説していきたいと思います。
T-DASH(ティーダッシュ)テスト自動化ツール ※無料プランあり
T-DASHは開発現場のテスト自動化に新風を巻き起こすツールと注目されています。なぜ注目されているかというと、うまくいっていないテスト自動化を、うまくいくように開発されたツールだからです。
開発現場はテスト工程を工夫して、QCD向上(品質・コスト・進捗)をしたいと思っています。しかしテスト自動化への現場のイメージは悪く、やる前から「失敗しやすい!難しい」と感じています。理由は前述した「これまでのテスト自動化ツール」にあります。テストエンジニアがプログラムコードを書いて、テストケースを作成していくことが大変なのです。忙しい開発現場からは開発言語やコマンドを叩いてプログラミングをしてまで、テストの自動化をしたくないというのが本音なのでしょう。
そこでT-DASHは、日本語のテストケースがそのまま使え、誰でも簡単に使えるテスト自動化ツールとして誕生しました。3つのサイクルで、うまくいくテスト自動化を増やしていきます。
【うまくいくテスト自動化 3つのサイクル】
- 日本語でテストケースを作れる
- そのままスクリプトになる
- 速いスピードでテストが自動化できる
価格や内容は魅力的です。無料トライアルもあってプロジェクト数やテスト実行回数、テストケースは無制限で利用できます。そのままトライアル後も利用を継続したい場合はノードロックライセンスプラン4,840円~/月(税込)に簡単にアップグレードできます。月額払いを選択すれば利用期間の制限もないので、短期プロジェクトにも適用しやすいでしょう。
そしてテスト自動化を成功させるためには、テスト自動化に向いているプロジェクトを選ぶことも重要です。繰返し同じテストを実行するプロジェクトや保守運用プロジェクト、アジャイル開発など、テスト自動化に向いているプロジェクトを選ぶポイントも、バルテス(株)社が教えてくれます。
「今後、50%はテスト自動化になる時代をバルテスが創っていく」というメッセージを下記URLからご確認ください。ちゃんとテスト設計されたテストケースをちゃんと自動化できるツール「T-DASH」は、これからのテスト自動化ツールとして期待されています。
参照元URL https://www.valtes.co.jp
Autify(オーティファイ) Salesforceアプリケーションのためのテスト自動化プラットフォーム※無料トライアル版あり
Salesforceの開発にはワークフローや承認、Flow Builder、プロセスビルダーなど、ビジネスプロセスを組織で自動化するためのツールがあります。そしてSalesforceのテスト環境には、Developer EditionとSandboxの2種類があり、テスト実行をします。
しかしSalesforceではアジャイル開発が多いため、テスト実行は人の手で行っているケースが少なくありません。そこでリリースサイクルを高速化させ、テストの自動化を実現するのがAutifyです。
Autifyには3つのアプローチがあります。1)ノーコードで誰にでも使える、2)メンテナンスAIによる運用にかかるコストを大幅削減、3)カスタマーサクセス このような特徴を持っています。
AutifyがSalesforceアプリサポートする機能は豊富です。クロスブラウザテスト、メールテスト、並列実行、ステップグループ、サービス連携、ビジュアルリグレッションなどの機能があります。Salesforceアプリを使いE2Eテストを自動化することも可能です。
料金プランにはSmall、Advance、Enterpriseの3種類があり、最適なプランを選べます。
14日間の無料トライアル版がありますので、ぜひ試行してみましょう。価格はサイトから見積もりを依頼するスタイルになっています。AIを活用したソフトウェアテスト自動化プラットフォームAutifyは開発チームの効率化やコスト削減をサポートしていくでしょう。
参照元URL https://autify.com/ja/salesforce
Selenium(セレニウム) テスト自動化ツール&ライブラリ
Seleniumはブラウザのテスト自動化をツールやライブラリで支えています。開発やテストを実行するユーザーとブラウザとの自動化を、エミュレーションや分散型サーバー、テスト対象のメジャーなブラウザに置換可能なコード実装などの様々なインフラを提供しています。
Seleniumは単体のツールやAPIではなく。WebDriver、IDE、Gridなど複数のツールから構成されています。これらのテスト自動化ツールを活用して、複数のブラウザ、複数の異なるオペレーティングシステムの大規模な環境でテスト実行ができます。
価格やプランについては下記URLからお問合せをいただくスタイルとなっています。
Selenide(セレニド)はSelenium WebDriverを利用したテスト自動化フレームワークで、数多くの現場で採用されています。Seleniumのテスト自動化の場面はこれからも増えていくでしょう。
参照元URL https://www.selenium.dev/ja/documentation/
Jenkins(ジェンキンス) オープンソース自動化サーバー ※無料版あり
Jenkinsはプロジェクト構築、展開、自動化のために数多くのプラグインを提供するオープンソース自動化サーバーです。JenkinsはLinuxだけなく、WindowsやmacOSなどのOSに対応し、簡単にインストールしすぐに実行できるJavaベースの自動化プログラムです。テスト自動化を専門にしているというよりも、「テストやビルドなどの作業を自動化するツール」の位置づけが強いと言えるでしょう。
Jenkinsはコミュニティ主導で運営されているツールですので、開発やドキュメントをコミュニティで実施し、ミートアップなどのコミュニティイベントにも参加できます。まさにオープンソースソフト(OSS)の良さを活かし、世界で活躍しているツールと言えるでしょう。
オープンソースではRedHat、クラウドではAWS、その他にもGitHubなどの様々なソフトウェア、プラットフォームと連携しています。価格やプランは無料版もありますが、各プラグインによっても違ってきますので、下記URLからご確認ください。
参照元URL https://www-jenkins-io.translate.goog/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc
Docker(ドッカー) コンテナ型自動化プラットフォーム
Dockerとはコンテナをと呼ばれるプロセスをソフトウェアにパッケージ化できるプラットフォームです。Dockerは「コンテナとはホストマシン上の他のすべてのプロセスから分離された、マシン上のサンドボックス化されたプロセスである。Linuxに存在してきた機能を使いやすく提供している」と下記URLに記載しています。
ユーザー側から見てみるとコンテナにはシステム、ツール、ライブラリ、コード、ランタイムなどが挙げられます。これらのソフトウェア実行に必要なものをDockerを使うことで、構築・コード実行・テストが素早くできるのです。クラウドで仮想環境を構築することに向いており、AWSなどのクラウドサービスで数多く利用されています。
価格とプランは、Personal、Pro、Team、Businessの4つに分かれており、Personalは無料で利用できます。サブスクリプションで提供されており、アップグレードとダウングレードにも対応しています。これからのクラウド時代の開発に欠かせない自動化ツールと言えるのではないでしょうか。
参照元URL https://docs-docker-com.translate.goog/get-started/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc
Ranorex(ラノレックス) テスト自動化ツール
RanorexとはRanorex Studioを中心としたテスト自動化ツールで、世界の様々な国や地域で利用されています。データ駆動型テスト、動的なUI要素のマッピング、Webやモバイルへの対応、各システムとの連携からテスト自動化を効率的に行えます。
価格やプランは、Studio License、Enterprise License、Runtime License、Premium Support Add-onの4種類があり、Studio Licenseの価格が3、950ドルからとなっています。Enterprise Licenseがオススメの定番ライセンスのようです。
ライセンス体系には、ノードロックとフローティングの2 種類を採用しています。詳しくは下記URLからご確認ください。
参照元URL https://www.ranorex.com/ja/help/latest/
まとめ
「テスト自動化ツール6製品を徹底比較 無料・フリー・OSSではどれがいいの?」と題し、ご説明してきました。無料版やフリー・OSSと有償版にはそれぞれの良さがあることがわかりました。
テスト自動化ツールのトレンドや特徴や機能、基本知識は理解できたでしょうか?一番大きなポイントは、「これまでの一般的なテスト自動化ツール」と「これからのテスト自動化ツール」によって特徴や機能が大きく変わるということです。
特に興味深い内容が「開発現場はテスト工程の生産性を向上させたいけれど、テスト自動化への現場のイメージは悪く、やる前から‘失敗しやすい!難しい!」と感じていることでした。その理由や原因を払拭するためにも「これからのテスト自動化ツール」を選定するのが重要です。
そしてテスト自動化を成功させるためには、テスト自動化に向いているプロジェクトを選ぶことも大事です。ぜひみなさんの開発現場でもテスト自動化に向いているプロジェクトを選んでみてツールを活用し、もう一度テスト自動化に挑戦してみてはいかがでしょうか?
誰でもカンタンにテスト自動化ができる時代は、すぐそこまできています。当サイトでは、テスト自動化ツールに興味のある方へ、「テスト自動化 推進ガイドブック」と「テスト自動化ツールT-DASH 基本ガイドブック」のダウンロード資料をご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご覧ください。
※本記事は2022年6月20日の情報を基に作成しています。テスト自動化ツールに関する詳しいご質問は、記載している参照元URLから各サイトへお問い合わせください。
※価格や料金の税込・税別表記につきましては、各サイトからご確認ください。