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最終更新日時:2026.01.05 (公開日:2026.01.05)

リグレッションテストは超重要!実施方法と自動化するポイントを解説

ソフトウェア開発は一度作ったら終わりではありません。新しい要件に従って機能の追加を行ったり、バグ修正を行ったりします。

そうした改修によって、既存の機能が影響を受けていないか検証するのが「リグレッションテスト」です。

本記事では、リグレッションテストの重要性や実施方法についてご紹介します。

さらに記事の後半では、リグレッションテストでよくある課題やその対策、自動化する際のポイントについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

リグレッションテストとは

リグレッションテスト(Regression Test)とは、ソフトウェア開発において、機能の修正や追加によって既存の機能に影響が出ていないか確認するためのテストです。

このテストは、手戻りやバグの再発を防ぐために行われます。

「リグレッション」とは、回帰または再発を意味する言葉なので、回帰テストと呼ばれることもあります。また、似たような言葉で、デグレードがあります。意味合いとしてはリグレッションに近いものです。日本ではこちらの方が一般的かもしれません。

リグレッションテストの対象は、既存システムで稼働している機能です。
すでに稼働している部分になるので、テストは成功している前提で行われます。過去のテストケースを再利用することが多いです。

また、リグレッションテストは、単体テストや結合テストとは異なり、既存の機能が新しい変更によって影響を受けていないかを確認することに特化しています。

個々のモジュールや関数の動作を確認する単体テストや、複数のモジュールが連携して正しく動作するかを確認する結合テストが成功した後に行われ、全体としての品質保証を目的としています。

リグレッションテストは重要!実施しない3つのリスク

ソフトウェア開発では、バグ修正や機能追加、リファクタリングなどの変更が日常的に行われます。どれほど小さな変更でも、思わぬ形で既存機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

リグレッションテストは、そうした「副作用」による品質劣化を未然に防ぎ、システム全体の信頼性を維持するために欠かせない重要なプロセスです。

ここでは、リグレッションテストを行わないことで起こりうる3つの重大なリスクを解説します。

2-1 既存機能の不具合に気づけない

リグレッションテストを実施しないと、変更の影響で既存機能が壊れていても、その不具合に気づかないままリリースしてしまう恐れがあります。

なぜなら、既存機能は「一度動いたものだから大丈夫だろう」と見なされやすく、優先度が低くなりがちだからです。

実際、開発現場では新機能や修正箇所のテストに注力するあまり、周辺機能や既存部分の確認が後回しになるケースが少なくありません。

その結果、利用頻度の高い基本機能であっても、不具合がユーザーによって初めて発見される事態が発生します。リグレッションテストを省略することは、品質の低下だけでなく、ユーザーの信頼損失にも直結する重大なリスクといえるでしょう。

2-2 手戻りコストが大幅に増大する

リグレッションテストを行わずに不具合の発見が遅れると、修正にかかる手間やコストが大きくなります。

なぜなら、問題が深い工程に進んでから見つかるほど、影響範囲が広がり、対応に必要な調整や確認作業が増えるからです。

特にリリース後に発覚した不具合は、再現調査・修正・再テスト・ユーザー対応など多くのリソースを消費し、他の開発作業にも遅れが出てしまいます。

プロジェクト全体の進行に影響し、結果的に納期遅延や品質のさらなる低下につながるおそれがあります。

早期に不具合を検知する仕組みとしてのリグレッションテストは、開発効率とコスト最適化の観点からも非常に重要です。

2-3 開発スピードの維持が難しくなる

品質担保の仕組みがないと、短サイクル開発のスピードを維持するのも難しくなります。

リグレッションテストを省略することで不具合の発見が遅れ、問題の修正や手戻り作業が頻発してしまうからです。

特にアジャイル開発や継続的インテグレーション(CI)では、頻繁にコードを変更・リリースするため、問題を早期に検出し対処しなければ、開発の停滞や遅延を招いてしまいます。

リグレッションテストを実施方法・タイミング

リグレッションテストを実施する対象やタイミング、手法について解説します。

3-1 テスト対象

リグレッションテストの対象は、既存の機能に限られます。
新しい機能の主なテスト対象は以下の通りです。

  • 既存のビジネスロジック
  • ユーザーインターフェースの動作
  • データベースの操作
  • 外部APIとの連携
  • セキュリティ関連の機能

3-2 実施タイミング

リグレッションテストは、以下のようなタイミングで実施されることが一般的です。

  • 新しい機能の追加や変更後
  • バグ修正後
  • 定期的な品質チェックの一環として

また、多くの場合、リリース前の確認項目の一つとして位置付けられています。

最近では、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインの中にリグレッションテストを組み込むケースが一般的になってきています。

CI/CDパイプラインにより、コードの変更がリポジトリに統合されたタイミングで自動的にテストが実行されるため、開発とテストのサイクルを高速化できます。

この中でリグレッションテストは、自動テストスイートの一部として実行され、既存機能への影響を即座に検出する役割を担います。

なお、手動テストが含まれる場合でも、リグレッションテストはリリース前の重要なステップとして欠かせません。

3-3 実施方法(手動テスト・自動テスト)

リグレッションテストの多くは、自動化した方が効率的になると考えられています。

ただし特定のテストにおいては手動テストで実施した方が有効なので、使い分けの判断をすることが重要です。

手動テストは、特に複雑な機能やユーザーインターフェースの確認が必要な場合に有効となります。例えばソーシャル認証や生体認証などです。

また、スマートフォンアプリであればアプリ内課金やプッシュ通知の確認なども手動テストが有効でしょう。
それ以外の部分、特に定型的な操作やデータの入力・確認などは自動テストで実行することが一般的です。

自動テストは、繰り返し実行することができ、CI/CDパイプラインに組み込むのも容易です。自動テストのポイントについては4章で解説します。

リグレッションテスト自動化のポイント

リグレッションテストはなるべく自動化し、開発チームへの負担を減らしていくことが望ましいでしょう。その際に考慮したいポイントを解説します。

  • ローカルと本番環境の差異に対応する工夫
  • メンテナンスを前提とした設計
  • ツールの選定と活用

4-1 ローカルと本番環境の差異に対応できるようにする

リグレッションテストは、極力本番に近い環境で実施します。

システムの動作環境は、開発するローカル環境と実際に実行する本番環境で動作が異なる場合があります。URLを変数化するなどして、環境ごとに設定を変更できるようにしましょう。

4-2 メンテナンスを前提とした設計をする

メンテナンスを前提とした設計をすることも重要です。

システムの更新に伴い、リグレッションテストのテストスクリプトも更新が必要になります。詳細な画面構成をテストすると、文字を変更しただけでテストが失敗します。

かといって、HTTPレスポンスだけで見ると、デザイン崩れを見落としてしまいます。

テストスクリプトの数が増えれば、メンテナンス工数が増えてしまいます。

そのため、テストスクリプトの設計段階から、メンテナンス性を考慮し、再利用可能なコンポーネント化を進めることが重要です。

4-3 ツールの選定と活用

リグレッションテストでは、結合テストなどで用いられるテストツールが利用できます。自動テストツールを利用し、自動テストを行いましょう。

バルテスで提供するT-DASHは、自動テストツールの一つです。メンテナンスが容易で、誰でもテストスクリプトを作成できるのが特徴です。Webやデスクトップ、モバイルアプリに対応しているので、幅広いプロジェクトで利用できます。

リグレッションテストでありがちな課題とその対策

ここまでリグレッションテストの重要性や実施方法・タイミング、自動化のポイントについて解説してきました。

この章では、リグレッションテストで陥りがちな課題と対策についてご紹介します。

  • 課題① テストケースの肥大化
  • 課題② 実行だけして結果を分析しない
  • 課題③ 「何のためにやっているのか」が現場で共有されていない

課題① テストケースの肥大化

リグレッションテストは既存のテストケースを再利用することが多いです。そのため、改修が重なっていくに連れて、テストケースが増えていく傾向があります。

これにより、テストの実行時間が長くなり、メンテナンスが難しくなることがあります。

こうした課題に対しては、リグレッションテストのテストケースを定期的に見直し、不要なテストケースを削除しましょう。また、テストケースの整理や分類を行い、実行時間を短縮する工夫も必要です。

課題② 実行だけして結果を分析しない

リグレッションテストを実行するだけで、結果を分析しないプロジェクトも多いです。

しかし、テストが成功したからといって、安心してはいけません。テスト結果の分析は、品質向上のために非常に重要です。

たとえば、テストの実行時間が徐々に長くなっている場合は、テストケースや実行環境の見直しが必要かもしれません。一方で、テストカバレッジ(網羅率)が低下している場合は、単なる結果の分析ではなく、テスト設計そのものに課題がある可能性があります。

また、実際に発生したシステム不具合との関連性を分析することも重要です。
特に、市場で発見された不具合(市場流出)であれば、テストケースの抜け漏れや設計の不備といった、より深刻な課題が潜んでいる可能性があります。

 一方、リグレッションテストで見つかった不具合が、開発工程内(例えばシステムテスト中)で検出可能だったかどうかを振り返ることで、テストの妥当性や網羅性を評価できます。

課題③ 「何のためにやっているのか」が現場で共有されていない

リグレッションテストは、品質保証の一環として非常に重要ですが、その目的や意義が現場で共有されていないことがあります。成功するのが前提であり、重要性が軽視されがちです。その結果、テストケースが不十分だったり、適切に実施されなかったりします。

この課題については、まず開発チームでリグレッションテストの目的や重要性を共有するところからはじめましょう。また、リグレッションテストの結果を定期的にレビューし、成功事例や失敗事例を共有して、チーム全体の意識を高めることが重要です。

まとめ

本記事では、リグレッションテストの概要と重要性、そして自動化のポイントについて解説しました。

リグレッションテストは、ソフトウェア開発において非常に重要な品質保証活動であり、既存機能の品質を保つために欠かせません。ぜひ、開発の一環として取り入れてください。

また、リグレッションテストを自動化するツールを検討されている方は、バルテスが提供する自動化ツール「T-DASH」をお試しください。

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