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導入事例

株式会社島津製作所様

株式会社島津製作所様

テストを任せることで、開発設計に注力できて上流から品質確保できる体制が確立できました。

株式会社島津製作所様

製造業

最先端の分析機器と医療ソリューションを提供する『株式会社島津製作所』

はじめに株式会社島津製作所様の事業概要について教えてください。

田名井様:
私たち株式会社島津製作所(以下、島津製作所)は、分析機器や医療機器を中心に、様々な製品やソリューションの開発に取り組んでいます。
分析計測事業部では、医薬や環境、食品などの分野における研究開発・品質管理に貢献する装置を開発しています。
医用機器事業部ではX線画像撮影装置や電子カルテなどの病院でおなじみの機器のほか、頭部・乳房の機能画像を提供するTOF-PET装置など、医学研究に貢献する装置も手掛けています。

お二方が所属されているチームでは具体的にはどの商品を扱っていますか?

西山様:
私たちの部署は、電子カルテを開発しています。2023年夏に、クラウド型の4代目電子カルテ『SimCLINIC T4 Cloud™』をリリースしました。
通常クラウド上にデータを保持しますが、インターネットに接続できない状況に陥った場合の院内データバックアップ機能や、MRIやレントゲン画像などの医用画像ビューアを搭載しており、カルテ上で画像を確認できる点も強みです。

SimCLINIC シリーズ4代目
無床診療所向け統合型電子カルテシステム SimCLINIC T4 Cloud

診療報酬・薬価改定対応で直面したリソースと
ノウハウ不足を解決するための外部パートナー選び

第三者検証の外部ベンダーとしてバルテスをご利用になった経緯を教えてください。

西山様:
最初に依頼したのは、3代目電子カルテ(「SimCLINIC T3」)の診療報酬・薬価改定対応のテストです。
当時は、2月頃に厚生労働省から診療報酬や薬価などに関する診療報酬・薬価改定の要件が通知され、その年の4月までの短い期間で機能をアップデートし、テストを完了させる必要がありました。
アップデートまで時間がない中、テストにかけるリソースが不足しており、社外で依頼先を探したのが経緯です。

田名井様:
リソースだけでなく、“どのようなテストをすべきか”というノウハウも社内で不足していました。そこで、テストの専門家を調べ、バルテスさんにたどり着きました。

当社をお選びいただく決め手になったことはありますか?

西山様:
決め手は2つありました。1つ目は、地理的な要因です。私たちの拠点は京都なので、大阪に本社があるバルテスさんとは距離が近かった。今ではオンラインミーティングが普及していますが、コロナ以前はまだ少なかったので、東京の会社だと移動が手間だと感じていました。
2つ目は、製品の開発現場でテストしてくれることでした。私たちはハードウェアを扱っている会社なので、テストのためには実際に装置に触れる必要があります。
単純なソフトウェアであればリモートで対応できるかもしれませんが、装置が絡む場合はそうはいきません。この2つの理由でお願いすることに決めました。

継続的な採用の背景には、一からのテスト設計とノウハウの共有

3代目電子カルテの診療報酬・薬価改定対応のテスト業務をバルテスが支援させていただきました。その後、4代目電子カルテでも継続してバルテスを採用いただいた背景を教えてください。

西山様:
最初は、3代目電子カルテの診療報酬・薬価改定対応に関するテスト実行のみをお願いする予定でした。しかし、テスト実行だけでなく、テスト設計からも対応できることを知り、設計段階から入って4代目電子カルテチーム内にテストのノウハウを共有していただきたいと思いました。

バルテスのメンバーは具体的にどのような形でプロジェクトに関わっていますか?

吉岡(バルテス):
2019年から島津製作所様の4代目電子カルテリニューアルプロジェクトに参画させていただいています。
電子カルテの根幹機能は別の開発会社で開発しているため、そちらの受け入れテストを中心に、テスト仕様書の作成から実施まで携わらせていただいています。
機能の修正や追加が頻繁に行われるため、それに伴う機能テストや、年1回発生する診療報酬・薬価改定に基づくアップデートのテスト支援も対応しています。

西山様:
電子カルテの根幹部分は、他社からOEM として提供されているものです。その上で、島津製作所独自のカスタマイズ部分、いわゆる『島津カスタマイズ』を開発し、それをOEM製品と連携させるような開発を行っています。

吉岡(バルテス):
4代目電子カルテは、OEM元から機能仕様書をあまり多く提供されておらず、島津製作所の開発陣の皆さんも「仕様の詳細までは分からない」という状態からスタートしました。
そこで実際に機器を触って操作しながら仕様を確認して設計を進めました。島津製作所様の技術として持っている画像機能の『島津カスタマイズ』が、電子カルテ全体機能のどこに影響を与えそうかという確認作業も担当させていただきました。

田名井様:
画像ビューア機能自体は、我々が開発して20年ほど経つ技術になります。仕様書と照らし合わせながら、両方の機能を合わせてテスト設計を進めてもらいました。

要件設計に専念できる環境づくり、テスト設計のフィードバックも大きな効果

当社がご支援していることで感じる効果などはありますか?

西山様:
テストがスムーズにできるようになりました。以前はテストに時間を取られていました。プロジェクトの後半では、どうしても物を作ることに集中しがちで、テストは後回しにしたくなることもあります。チームが開発に集中できるようになったのは助かりました。

田名井様:
特に機能要件の設計部分に時間を割けるようになりました。テストで品質を確保するのではなく、要件設計段階で品質を確保することが重要だと思っているので、要件設計に注力できるのは大きいと感じています。
また、テスト設計の際に「このような状態だと、どういう挙動になりますか」と質問してくれるので、“この仕様は考えていなかった”と気づかされることも多く、機能仕様書をより良くしていく機会が増えました。

西山様:
テスト設計のレビューは、バルテスさんに入ってもらってから取り入れたフローになります。これまでは人によって粒度がバラバラなテストケースを作成していたので、最初にテストする一覧がまとまった設計書を見ながら、テスト観点を確認しテストケース作成するという流れは、分かりやすいし確認もしやすくなりました。

ありがとうございます。他にも、良い影響等が見られたことなどがありましたら教えてください。

田名井様:
事業部で「最低でも何時間以上」といったテストの要件が決まっていて、以前は要件を満たしたことを証明するための書類作成にも多くの時間と労力を割いていました。テスト設計時のドキュメントがエビデンスとして使用できますし、必要なテストを必要な分だけバルテスさんがテストしてくれるため、スムーズに品質基準を満たせるようになりました。結果として、プロジェクト全体の効率が向上しました。

最後に、今、第三者検証サービスの利用を検討している企業に一言お願いします。

西山様:
何か品質に関する課題があったら、相談してみるのがいいと思います。僕らも最初は相談レベルで始まったのですが、そこから具体的に助言してくれて、私たちの社風や業務に柔軟に対応してもらえました。

(左からご担当者の西山様、田名井様、バルテス吉岡)

本日はいろいろお話しいただき、ありがとうございました。

取材日:2024/7/9

クライアント様情報:

株式会社島津製作所様

真空機器/産業機械/海洋関連機器. 半導体や薄型ディスプレイなどの製造プロセスに関わる機器を提供し、 モノづくり産業の発展に貢献しています。

取材にご協力いただいた方:
株式会社島津製作所  医用機器事業部技術部  クラウドソリューショングループ 西山 知徳

株式会社島津製作所
医用機器事業部技術部
クラウドソリューショングループ

西山 知徳 様

株式会社島津製作所  分析計測事業部  ITソリューションビジネスユニット 田名井 晋太郎

株式会社島津製作所
分析計測事業部
ITソリューションビジネスユニット

田名井 晋太郎 様

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