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最終更新日時:2026.02.10 (公開日:2026.02.10)

PMOとは?PMとの違いと主な6つの役割・強化するポイント

PMO(Project Management Office:プロジェクト マネジメント オフィス)は、プロジェクトの計画・実行・管理を支援する組織のことです。

PMOは、プロジェクト全体の統制やリスク管理の強化、進捗管理とリソース調整、プロジェクト品質の確保、ナレッジ共有とベストプラクティスの推進など、様々な役割を果たします。

PMOは、プロジェクトの複雑化や品質管理の必要性が高まる中で、プロジェクトの成功を支える重要な存在となっています。

本記事ではPMOの役割や重要性について解説いたします。

PMOとは?求められる背景

PMO(Project Management Office)とは、プロジェクトの管理や統制を支援する専門組織です。

企業や組織内で複数のプロジェクトを横断的にサポートし、品質・コスト・納期の管理や標準化、ノウハウの蓄積などを行います。

この章では、PMOとPMの違いや求められる背景についてご紹介します。

1-1 PMOとPMの違い  

PMOと似た言葉で「PM(プロジェクトマネージャー)」というものがあります。

PMOとPMは、似たような機能もありますが、その違いを理解しておかなければ互いに軋轢を生む可能性があります。   PMは、プロジェクト単位での計画・実行・管理を担当します。
プロジェクトの成功責任を負い、チームマネジメントやステークホルダーとの調整を行います。

PMOは、プロジェクトマネージャーと比べて、より大きな視点を持たなければなりません。
組織全体における、複数のプロジェクトに対する横断的な管理・サポートが求められます。
個々のプロジェクト間におけるリソース分配の問題や、利益のカニバリゼーション解決もPMOの役割です。

また、組織におけるPM標準を策定し、その遵守・推進もPMOの役割になります。

PMOは、プロジェクト単位ではなく、組織全体の最適化を図ることが求められます。ただし、標準を押しつけるのではなく、組織の特性に合わせた柔軟な対応が必要です。

1-2 PMOが求められる背景

日本では2014年に日本PMO協会という一般社団法人が設立されており、PMOの重要性は当時からますます高まっています。

PMOが求められる背景には、以下のような要因が挙げられます。

  • プロジェクトの複雑化
  • 属人化の解消

昨今のシステム開発は、より一層複雑化しています。これは単一のプロジェクトだけで完結せずに、複数のプロジェクトにまたがっているケースや、複数の部門・組織が関わるケースが増えているためです。

このような状況下で、プロジェクト全体を統括し、リスクを管理するためにPMOが必要とされています。

そうした中で、成功しているプロジェクトと失敗しているものは、プロジェクトマネージャーのスキルや経験に大きな差があることが明らかになっています。

PMOは、プロジェクトマネージャーのスキルや経験に依存しないよう標準化を行い、ドキュメント化や指針作り、共有の促進を実施します。

PMOの主な6つの役割

PMOに求められる役割として、主に以下の6つが挙げられます。

  • PM(プロジェクトマネージメント)の標準化
  • 人材開発
  • PM業務の支援
  • 複数プロジェクト間の調整
  • プロジェクト環境整備
  • ナレッジの一般化と共有

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 PM(プロジェクトマネージメント)の標準化

組織におけるPM手法を統一し、プロジェクトの状況を把握しやすくすることがPMOの役割の一つです。

これにより、プロジェクトの進捗状況やリスクを把握しやすくなり、プロジェクトの成功確率を高めることができます。

そうした標準化のために、ドキュメントの作成やプロセスの整備を行います。組織や歴史によって、最適なPM手法は異なるため、PMOは組織の特性に合わせたPM手法を提案し、導入を支援します。

2-2 人材開発

新しいプロジェクトマネージャーはもちろんのこと、既存のプロジェクトマネージャーのスキルアップやPM手法の学習支援を実施します。

これにより、プロジェクトのリスクを低減し、成功確率を高めます。

2-3 PM業務の支援

教育とは別で、実際に稼働しているプロジェクトに対して、PM業務の支援を行います。

プロジェクトマネージャーの業務負担を減らし、伴走によるベストプラクティスの共有を行います。

2-4 複数プロジェクト間の調整

複数のプロジェクトが関わる場合には、そのリソース調整で組織内に軋轢が生じます。そうした場合の調整も、PMOに求められる大きな役割の一つです。

組織全体を考えた上でのベストなリソース配分を行い、スムーズなプロジェクト進行を促します。

2-5 プロジェクト環境整備

プロジェクトマネージャーを取り巻く環境はさまざまで、阻害要因も数多くあります。

PMOは、そうした要因を取り除き、プロジェクトマネージャーがスムーズにプロジェクトに取り組めるように支援します。

プロジェクトの進捗を可視化し、何か問題が発生していると思われる場合には早めに対処します。

2-6 ナレッジの一般化と共有

あるプロジェクトでうまくいったナレッジ(逆もあり得ます)があれば、それを一般化し、どのプロジェクトでも取り入れられるようにします。

ドキュメントや指針を更新し、共有を行います。

プロジェクトマネージャー自身がうまく言語化できない場合は多いので、プロジェクトの振り返りを行って、施策の評価と指針への反映を行います。その繰り返しによってプロジェクトの成功率を高めるのと同時に、組織に最適化されたPM指針が形成されます。

プロジェクト成功につながる!PMOが与える効果

PMOがうまく活動できている組織では、プロジェクトの成功に影響する、さまざまな効果が期待できます。

PMOが与える効果についてご紹介します。

3-1 品質管理の強化

PMOは、プロジェクトのスムーズな進行を促し、結果としてプロダクトの品質向上が期待できます。

プロジェクトの進行におけるリスクの把握や、将来的な課題を取り除くことで、品質管理を強化します。

PMOの役割の1つである「品質管理の強化」に特化させたポジションを「QMO(Quality Management Office)」と呼ぶこともあります。

3-2 プロジェクトの安定運営

いわゆるプロジェクトの炎上は、プロジェクトマネージャーのスキルや経験不足に由来することも少なくありません。

PMOは、プロジェクトマネージャーのスキルに依存しないよう、標準化やナレッジ共有を行い、プロジェクトの安定運営を支援します。また、必要に応じてプロジェクトマネージャーに対する教育も実施します。

3-3 プロジェクトマネージャーの業務負担の軽減

プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体に対する責任を負う一方、それに伴って本来プロジェクトマネージャーが担うべきではないタスクまで負担することがあります。

PMOは、そうしたタスクを発見して本来担うべき人や部署に委譲させたり、自動化を進めたりして、プロジェクトマネージャーの業務負担を軽減します。

3-4 組織的なプロジェクト管理能力の向上

PMOの設置により、組織全体におけるプロジェクト管理能力向上が期待されます。

PMOがプロジェクトマネージャーに対して適切なサポートを行ってプロジェクトの成功を支援すれば、組織全体のプロジェクト管理能力や品質の向上が実現します。

組織の規模が拡大し、複数の大小異なるプロジェクトが立ち上がるようになると、PMOの存在はますます重要になります。

PMOを強化するための4つのポイント

PMOを新設、または強化する際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • PMOとPMの連携を強化する
  • 現場の負担を増やさない仕組みを作る
  • プロジェクトの特性に応じたPMOを運用する
  • KPIを活用してPMOの効果を測定する

それぞれご紹介していきます。

4-1 PMOとPMの連携を強化する

PMOが求められる役割である、PMの支援という認識を常に持ちましょう。

PMOの作成した指針をPMに押しつけたり、その運用をマイクロマネジメントしたりすると、両者に軋轢が生じます。

ただし、逆にPMOがPMの御用聞きになったり、彼らのタスクを無条件に引き受けたりすることも避けるべきです。両者に求められる役割とスタンスを明確にし、連携できる間柄を築きましょう。

4-2 現場の負担を増やさない仕組みを作る

PMOの設置によって、これまでのプロジェクトマネージメントと異なる点があり、PMへの負担が増えてしまうことがあります。

初期段階では仕方がない一面もありますが、それが継続的にならないよう注意しましょう。

PMOには、PMの負担軽減が求められる面もあります。PMの懸念事項や不安を把握し、対策を講じることで、彼らの負担を軽減しましょう。

4-3 プロジェクトの特性に応じたPMOを運用する

PMOの形は一つではありません。組織の規模やプロジェクトの特性、PMOの目的に応じて、PMOの運用方法を柔軟に設計しましょう。

たとえば金融系とゲーム業界では求められる機能が異なります。PMOはそうした違いを認識し、組織が求めるゴールに合わせた運用を心がけましょう。

4-4 KPIを活用してPMOの効果を測定する

PMOの効果を測定するために、KPI(Key Performance Indicator)を設定しましょう。例えば、以下のようなKPIを設定することで、PMOの効果を可視化できます。

  • プロジェクトの納期遵守
    …PMO設置前後で、計画通りに完了したプロジェクトの割合を比較することで、進行管理の改善度合いを把握できます。
  • 品質指標(不具合件数・手戻り工数)
    …リリース後の不具合件数や、設計・開発工程での手戻り工数を測定することで、品質向上への貢献度を定量的に評価できます。
  • プロジェクトの予実乖離率(工数・コスト)
    …計画工数と実績工数の差をKPIとして追うことで、見積精度やリスク管理の改善効果を確認できます。

これらのKPIを継続的にモニタリングすることで、PMOの活動がプロジェクトの進行や品質にどのような影響を与えているのかを把握できます。

もしKPIが改善していない場合には、レビューや標準化ルールの見直しなど、課題に応じた施策を検討し、PMOの活動に反映させることが重要です。

まとめ

今回はPMOの役割と重要性について解説しました。組織におけるプロジェクト運用について課題を感じているのであれば、PMOの設置を検討することをおすすめします。PMOによって属人化を防ぎ、組織全体のプロジェクト管理能力を向上させましょう。

バルテスでは、QMO(品質管理)支援を提供しています。プロダクトの品質向上を目指す際には、ぜひバルテスのサービスをご活用ください。

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