現物だけがあって、仕様としてはこんな風に動いてほしい。
                    という状態から欲しい提案をしてくれた。
                
                
              ていねいに、うつくしく、こだわって
:御社のプロダクトについて簡単にお聞かせください
                  :御社のプロダクトについて簡単にお聞かせください
佐藤 様:
                      調理器具や生活家電を中心に製造・販売を行っています。
                      特に、社のロゴにもある「ていねいに、うつくしく、こだわって」をキーワードに丁寧に、安心なものをお届けすることをモットーにしています。
                      
                      今回、第三者検証の依頼をした「かまどさん電気」は、”本当においしいご飯を食べてほしい”をコンセプトに、土鍋のおいしいご飯をガス火に頼らず、電気で作ることを目指した炊飯器であり、長谷製陶株式会社の炊飯土鍋「かまどさん」を使用した全自動電気炊飯土鍋として、電気で炊飯を可能とした世界初の製品です。
                    
ソフトウェアの複雑化により、
個人の力量だけに頼るわけにはいかなくなった
                :検証サービスを導入するにあたっての背景、課題は何だったのでしょうか?
                    
                      本プロジェクトを依頼された佐藤様
                    
:検証サービスを導入するにあたっての背景、課題は何だったのでしょうか?
佐藤 様:
                      昨今、調理家電に様々な機能が増えていく過程で、製品の動作にソフトウェアの占める領域が大きくなってきたのが検討のきっかけでした。
                      元々調理家電を作っていた当社では、ソフトウェアを専門にする部署がなかったため、ソフトウェア目線の評価基準が整備されておりませんでした。
                      個人の力量に任せて動作に問題があるか、無いかを確認するといった具合で品質基準が属人化していたのです。
                      そして、ソフト面が複雑化していったことで、今までのように個人の力量だけに頼っていると担当者によって品質の差が生まれてしまうことになりました。
                      一つの製品に多人数の眼で複眼的にチェックできれば、ばらつきを防げるのですが、実際には少人数で担当することも多く、製品ごとに品質基準のばらつきがあるのは課題であると感じておりました。
                  また、当社では外部の委託先に製造を委託しているのですが、その中でもソフトウェアの部分について、仕様通りに動いてくれないということが散見されました。
                  加えて、異常系の不具合は「仕様の漏れ」を突いているため、なかなか検出が難しいものです。
                  委託先が責任をもって検証を行っていただければ良いのですが、表面を見て終わりということも多く、当社で受け入れテストを行い、受け入れ基準を制定する必要が生じていました。
                  そこで、ソフトウェアと白物家電に関しての知見がある、検証のプロにお任せできないかと検討することになりました。
                  家電製品を経験していて、きちんと評価をして、その成果物に我々が納得のいく検証会社を探したところ、辿り着いたのが御社でした。
「何をお願いすればいいのか」
というところから困っていた
                :バルテス決定の決め手となったのは何でしたか?
                    実績と提案内容が決め手と語る佐藤様
:バルテス決定の決め手となったのは何でしたか?
佐藤 様:
                      ソフトウェア専門の部署がないため、発注するにあたっても知見が十分に無く、「評価項目について何をお願いすればいいのか」というところから困っていました。
                      本来だったら上流から見て改善いただくのが筋だと思うのですが、設計書・仕様書といったドキュメントも十分にご呈示することができなかったのです。
                      本当に「現物だけがあって、仕様としてはこんな風に動いてほしい。」というレベルでご提案をお願いしたのですが、いただいた提案を見て、我々の中で形の無い要求としてあった、あるべき型をご提案いただいており、要求にすっと合致した感覚がありました。これが、御社にお願いした決め手でした。
                    
:今回はご依頼を受け、開発中だった「かまどさん電気」の品質向上のため、ユーザーマニュアルをインプットとしたUAT(ユーザー受け入れテスト)とエラーなどの異常系について、おおよそ一か月間のテストを実施させていただきました。
あの短期間の中で、
本当に色々出していただきました
                :検証サービスをご利用いただき、実際にどのような効果を感じましたか?
                    弊社の全体テスト計画書サンプル
:検証サービスをご利用いただき、実際にどのような効果を感じましたか?
佐藤 様:
                      まず最初に多くの不具合を検出いただけたこと、それにより市場に流出する不具合をつぶすことで品質の向上を感じました。
                      
                      今回、開発中に従来見つけにくかったソフトウェアのバグが検出できたことでその修正を行うことができました。
                      このバグはテストを依頼していなければ不具合として世の中に出てしまった可能性があったと考えられます。
                      仮に、大きな事故にはつながらなかったかもしれない程度の不具合だったとしても、実際に購入したお客様からの印象は悪くなってしまう。そういったインシデントを未然に防ぎ、信頼性を大きく高められたと感じます。
                    
                  また、毎日インシデントレポートという形で報告をいただいていたのですが、細かい操作や、こういうステップを踏むと不具合が起きますよと事細かに再現手順まで報告していただけるので、我々も認識しやすく助かりました。
                  あの短期間の中で、本当に色々出していただきましたね。
:自分たちで気づかなかったインシデントを検出するというのは、第三者検証の大きなメリットですね。
また、明確な受け入れ基準という、属人化しない品質基準を資産としてご活用いただければ幸いです。
                
                佐藤 様:
                  自分たちで気づかないというと、ユーザー様がご覧になる取扱説明書(ユーザーマニュアル)も見て頂いて、実際の動作と取扱説明書の記載に違いがあったり、違いではないが、読み手から誤解を招きやすい表現なども色々と指摘いただきました。
                  最終的な対応は我々の中で決めるところではありますが、中立的な立場から見 ていただいたのは様々な発見がありました。
                  そういう指摘がある、見方もあると認識できたのはマニュアルの表現を見直す良いきっかけになりました。
:ありがとうございます。第三者として、中立的な観点から検証できるのもメリットの一つですのでお役に立てたとのことで、なによりです
今後は上流部分から、
バグの作りこみを抑えるためのご支援もご相談したい
                :今後、バルテスに期待していることはありますか?
                    今後、上流工程についても体制を強化したいと語る佐藤様
:今後、バルテスに期待していることはありますか?
佐藤 様:
                      今まで通り、いわゆる検証、正常系/異常系の確認と・仕様通りの機能を確認していただくのはもちろんのこと、今後は上流部分の、本来なら要件定義と呼ばれる工程で潰しこまなくてはならない、不具合の作りこみを抑えるためのご支援もご相談したいですね。
                      
                      今の出来上がったものに対する検証だけでは、開発工程の上流で作りこまれてしまった不具合を下流で塞き止めているので、作業的には傷ができたからバンドエイドで塞ごうという取り組みになりがちです。
                      これを解消するためには、一番最初の「製品仕様を作る段階」も見ていただいて、「これは矛盾している」というようなレビューをいただくような形でご支援いただき、我々も成長していきたいですね。
                    
:市場全体が、上流工程での品質の作りこみに目を向けていますね。
                  弊社でも「品質コンサルティング」として、上流から品質向上をお手伝するソリュ―ションをご用意しております。
                  今後、その方面でもしっかりご支援させていただければと存じます。
                :インターネットに接続された家電「IoT家電」についても意欲的に取り組んでいる最中とお聞きしました。
佐藤 様:
                  はい。今後、外出先からインターネットで操作できる家電というニーズは増えていくと考えられます。
                  一方で、我々の扱う白物家電は、スマートフォンなどと比べると桁が違う電力を使う製品となりますので、外からリモート操作できる製品というのは特に細心の注意を払って考えなくてはなりません。
                  また、セキュリティといった面でも知見が必要になります。その際にも品質の検証や、脆弱性がないよう第三者による診断をお願いできればと考えています。
:そうですね。IoT器機の中でも、湯沸かし器や炊飯器といった白物家電では、特に通常想定されない操作のような「異常系の不具合」の検出や、フェイルセーフを組み込むといった上流工程での品質の作りこみも重要となってきます。
:また、セキュリティについても弊社ではIoT器機に向けた脆弱性診断サービスを提供しておりますので、ソフトウェアのテストだけでなくセキュリティの面でもご支援できればと存じます。
本日はいろいろお話しいただき、
ありがとうございました。
                
              取材にご協力いただいた方:
                      商品本部 商品開発部
                        開発グループ
                        シニアリーダー
佐藤 一威 様