
アジャイルで実現する品質向上と持続的な価値創出
SocioFuture株式会社ではATMを軸に行政・健康まで
社会インフラサービスを幅広く提供
:SocioFuture様が提供している事業についてお聞かせください。

林田様:
弊社はATMの開発と、ATM横に設置されたインターホンでつながる監視センターの運用を行っています。
利用者がいつでも安心してご利用いただけるよう、常に安定した稼働を維持し、高い品質管理に努めています。 この監視センターは全国対応で、今では日本全国のATMの6割以上を、当社のセンターで監視している状況です。
その事業を中核として、ATM以外の金融サービスのデジタル化や、「行政」や「健康」などの他分野におけるソリューションの開発など、事業領域を大きく広げています。
:ATMは利用者の日常に欠かせない存在であり、高い安定稼働と品質の維持が求められる重要なお仕事ですよね。
林田様:
はい、まさに「バグが許されない」世界です。少しの遅延や停止でもすぐにSNSで話題になり、数時間後にはニュースになることもあります。以前よりも注目されやすい分、品質にはより一層シビアに取り組んでいます。
:品質への要求が非常に高い分野だと伝わってきます。御社として掲げている理念などもあれば教えてください。
林田様:
我々は「ミッションクリティカル」なシステムを提供しているという自負があります。その上で、会社としての使命は「ハイタッチなオペレーションで、もっと優しい社会に。」を実現することです。
“ハイタッチ”というのは、単にITの力で効率を求めるだけでなく、お客様に密に寄り添い、きめ細かなサービスを提供する、という意味合いで使っています。
新規プロジェクトが難航。
品質を確保するためにテスト設計から外部委託を決意
:第三者検証サービスを利用しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

林田様:
最初にバルテスさんへ依頼したのは、紙ベースだった保証委託申込の手続きをデジタル化する「保証委託申込サービス」のテスト工程です。
当時、プロジェクトは基本設計の段階でいくつかの改善項目が見つかり、それらに対応するため設計の再検討が必要となりました。しかし、すでに導入予定の銀行やサービスインの日程が決まっていたため、短期間で集中的にテストを担っていただけるベンダーを探そうという方針になりました。そこで初めてバルテスさんにお願いしたという流れです。
:数あるテストベンダーの中から、バルテスを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?
林田様:
今回のプロジェクトに関しては、もうスケジュールが決まっている状況だったので、ある程度の情報を開示した上で、数社から提案をいただきました。
何社か候補がある中で、バルテスさんの提案が非常に具体的かつ、我々の視点に立ったものであると強く感じました。
我々が今後やっていくプロジェクトのことを最もよく理解してくださっていました。
関係者数名で何度か面談を行いましたが、最終的に満場一致で「バルテスさんにお願いしよう」となりました。それほどまでに、提案内容が的確だったという印象でした。
品質の確保を重視したテスト構築
:実際にプロジェクトがスタートしてからはいかがでしたか?

林田様:
今回のプロジェクトは途中で仕切り直したこともあり、バルテスさんに参画いただいた時点では、仕様書やテスト計画書が十分に整っていない状態でした。
弊社では、ウォーターフォール型の進め方は確立しているのですが、今回は状況的にアジャイルに近い進行となったため、ドキュメントも走りながら整備していく必要があったんです。
そういった状況から「とりあえず、仕様書や計画書ができているところまで動かせるように協力してほしい」というお願いをしました。
なかなかハードなお願いでしたが、バルテスさんは何のためらいもなくやってくださいました。
実際の動作を確認しながら仕様を整理して、テスト項目の構築までしていただいて、本当に助かりましたね。
1、2か月ほど、まさに“手探り”での作業でしたが、本当に根気強く対応いただきました。
:バルテスとのコミュニケーションはいかがでしたか?
林田様:
当時は、日次でのミーティングが必要な状況でしたので、毎日情報連携をしていました。本当に丁寧なコミュニケーションで、事前資料が十分でないような状況でも、積極的に取り組んでくださって非常に頼もしかったです。
継続的リリースを支える、
T-DASHとQualityTrackerの活用
:バルテスのテスト自動化ツール「T-DASH」もご活用いただいたとのことでしたが、効果はいかがでしたか?
林田様:
この「保証委託申込サービス」はサービスインしてからも半年程度、機能追加を継続しました。そこで非常に役に立ったのが「T-DASH」です。
リリース後も機能追加が続く中で、「この状況でしたらT-DASHを活用してはいかがですか?」とご提案いただきました。
新機能は手動でテストしつつ、既存機能に影響がないかをT-DASHで自動的にカバーできるようになって、回帰テストの負荷が一気に軽減されました。
こうして効果を実感したこともあって、別のプロジェクトでもT-DASHを採用したんですよ。
本番のリリースを複数回繰り返すシステムはどうしても無影響確認の工数が重くのしかかってくるので、T-DASHは欠かせない存在ですね。
:テスト管理ツール「QualityTracker」も導入いただきましたが、使用感についてはいかがでしょうか?
林田様:
正直、まだ使いこなせていない部分もあります。ただ、テストの進捗状況をバルテスさんに確認しなくても、リアルタイムで確認できたのは非常に助かりました。社内に逐次「今どこまで進んでいるか」を報告する立場だったので、自分でダッシュボードを見るだけで確認できるのは大きなメリットでした。
テスト委託が品質とドキュメントの意識改革につながった
:今回、バルテスにテストを委託していただいたことで、社内に良い影響や変化はありましたか?
林田様:
当社はこれまでも多様な開発手法を取り入れてきましたが、今回アジャイル開発を経験することで、社内の品質管理のあり方がさらに進化しました。
アジャイルを導入したことは、品質向上を目指す新たな取り組みとして大きな成果を上げ、効果的な品質担保の考え方と方法を確立することができました。 品質管理のルール化や整備が弊社内でもスタートしました。
:現在様々なプロジェクトにバルテスを採用いただいていますが、効果はいかがでしょうか?
林田様:
私が担当したプロジェクトでの評判から、他のプロジェクトでもバルテスさんに入ってほしいという要望が増えました。
今回のプロジェクトは、仕様が十分に固まり切っていない状態で、ある意味バルテスさんと一緒に仕様を探りながらシステムを作っていきましたが、その経験が別プロジェクトにも活かされていて、テストだけでなく、仕様作成の段階からの支援もお願いしています。
専門知識を活用し、双方の強みを生かした連携によって実現する、
安心と信頼の第三者検証パートナー
:バルテスへの全体的な評価や印象について、あらためてお聞かせください。
林田様:
これまでも外部の会社にテストをお願いすることはありましたが、テスト設計からお願いできる会社にはなかなか出会えず、バルテスさんが初めてでした。
また、テストをワンサイクルまわしたあとに、不具合分析やリスク分析をレポートいただき、「ここが弱点なので、次はここを重点にテストしましょう」と提案いただけたのが、非常に新鮮でした。
バルテスさんは提案が具体的です。レポートについても、こちらが頼まずとも率先して作成いただきました。それもとても勉強になりましたし、社内の品質意識が高くなったと感じています。
第三者検証といっても、バルテスさんにお願いしていることがブラックボックス化せずに、全て見られる状態だったので終始安心して任せることができました。
:最後に、第三者検証サービスの導入を検討されている企業へのメッセージをお願いします。
林田様:
品質管理に課題を感じている企業さんには、ぜひバルテスさんのような会社を検討してほしいです。
提案力が高いので、安心してお任せできると思います。
本日はいろいろお話しいただき、ありがとうございました。
取材日:2025年7月10日
取材にご協力いただいた方:

SocioFuture株式会社
ソフトウェアソリューション事業本部 システム開発部 担当課長
林田 浩一 様