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最終更新日時:2023.11.22 (公開日:2023.05.26)

クラウドサービス運用後の3つの課題とは?対策を考えてみよう

「オンプレミスからクラウドサービスへの切り替えを検討しているが、オンプレミスからクラウドサービスへ変更すると何が違うの?」と頭を抱える企業様も多いのではないでしょうか。最近は、「ハイブリッドクラウド」として、オンプレミスとクラウドサービスの双方のメリットを活かすといった運用を行っている企業もあります。今回はクラウドサービス運用後に課題となるポイントをご紹介いたします。

運用上で大きな課題となる点を抑えておこう

オンプレミスとクラウドサービスの違いは?といっても、通信料が掛かるといったものから様々な違いがあります。今回はサービス導入後に課題となる点を大きく3つに絞りました。

【サービス導入後の3つの課題】

  1. リプレース後の様々なギャップ(パフォーマンスなど)
  2. 予期しないサービスの障害
  3. APIの変更による外部システム連携の影響

1と2については、公正取引委員会の「クラウドサービスの取引実態に関するアンケート調査結果」でも挙げられています。それではサービス導入後の3つの課題を詳しくご紹介していきます。

1.リプレース後の様々なギャップ(パフォーマンスなど)

リプレース後にオンプレミスとの機能差、パフォーマンスの違いなどにより、 以前のシステムより使いづらくなることがあります。

2.予期しないサービスの障害

クラウドサービス自体の障害により提供するサービスを一時的に停止せざるを得ないといったケースがあります。このような事象を事前に理解した上で、クラウドサービスの運用を検討しておく必要があります。

3.APIの変更による外部システム連携の影響

「APIが変更されることを失念して、そのまま本番環境に反映されてしまった」または「システム連携先の他社にAPIの変更を伝え漏れてしまった」といったケースがあります。APIを用いて外部システムとの連携を行うことでより効率化させることがクラウドサービスのメリットの1つですが、クラウドサービス提供側のAPIの変更により、思わぬトラブルに繋がることもあります。「APIの仕様が変更されるかもしれない」ことも想定しておく必要があります。さて、このようなサービス導入後の問題が起きた場合、または起こさない為に何をすべきでしょうか?

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リプレース後の様々なギャップ

「システムへのリソースの割り当てが行われておらず、オンプレミスよりも処理速度が劣化する」、「複数のクラウドサービスを利用し、複雑なシステム構成となった結果、不具合改修に時間が掛かる」といった課題が運用後に発覚するケースをよく耳にします。では、運用前に対応できる対策について解説します。

  • オンプレミスとクラウドサービスのシステム双方をテストし、比較できる状態にしておく

「現(現在の環境)新(新しい環境)比較と言われるものです。これは運用前にテストを行うことで、運用後に発生する問題を低減させることができます。ただし、気を付けるべき点としては、「必ずしも現在の環境が正しい」という事はない点です。よくあるケースとしては、現新比較時に現在の環境による潜在問題が検出される場合もある為、注意が必要となります。

  • クラウドサービスのカスタマイズ性がオンプレミスほど十分ではない為、一部の機能が利用できなかった

特にオンプレミスからクラウドサービスに変わる為、対応できるエンジニアのスキルも変動します。予め、プロジェクト立ち上げ時にクラウドサービスに精通したエンジニアを起用することで、クラウドサービスの拡張性、カスタマイズ性を事前に把握できます。また、実装およびテストを行う際にも、クラウドサービスの利用に伴う変更点として、開発チームおよびテストチームへ周知しておくことが望ましいです。このように、リプレース後の様々なギャップについては、運用前にテストを行うことで課題を低減させることが可能となります。よって、開発スケジュールに予め組み込んでおくことをお勧めします。

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予期しないサービスの障害

オンプレミス利用時も同様に起こりえますが、オンプレミスとの大きな違いとして、障害の内容によってはクラウドサービス提供事業者に問い合わせも発生します。結果として、問題解決に至るまでの多くの所要時間を必要とする場合があります。また、クラウドに精通していないインフラエンジニアが携わった場合、2次障害に至るケースも少なくありません。予期せぬサービス障害が発生しても、2次障害を発生させないため、以下のような対策を行う事をお勧めします。

  • 予期しないサービス障害発生時に、システムがどのような挙動になるかを理解しておく

プロジェクトのテスト工程に予期しない障害発生時のテストをあらかじめ計画しておくことでサービス障害発生時に意図しないシステム挙動になっていないかを確認することができます。プロジェクトの日程上、なかなか時間が取れない場合であっても、本件の確認は必須です。

  • 障害発生時の運用マニュアルを作成しておく

稼働しているメンバーが不測の事態で不在になった場合を想定し、運用マニュアルを作成しておくことが望ましいです。マニュアルがない状況下で障害対応をした結果、2次障害が発生するケースも少なくありません。このような事態とならないように、事前にマニュアルを整備しておくことで、2次障害リスクを低減させることができます。

  • サービス運用前に障害を意図的に発生させた上で、保守運用チームを含めた障害発生時の事前訓練を行う

サービス運用前にリハーサルされている企業様は少ないのですが、リハーサルとして、実際の障害発生時のフローを一通り行うことをお勧めします。なぜなら、現行の定めた運用フローに課題がないか否かの確認を行うことができるからです。できれば、避難訓練などと同様に1年に1度訓練しておくことが望ましいです。クラウドサービスの障害については、各社が予期できる内容ではないとも言えます。障害が発生し大きな問題に発展しない為にも、事前に「障害発生」を想定した運用をプロジェクトの計画に組み込んでおきましょう。

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APIの変更による外部システム連携の影響

クラウドサービス間を繋ぐために、APIを使用されている企業も多いと思います。APIについては、開発としても非常に使い勝手がよい反面、仕様変更および連携先のAPIの仕様によって、対象システムの挙動が変化します。そのため、考えられる課題としては、以下となります。

  • 利用していたAPIの廃止
  • 利用していたAPIの変更

利用していたAPIの廃止については、API廃止時の想定外処理を事前に実装に組み込んでおくことで、大きなトラブルの発展を未然に防ぐことができます。一方で、利用していたAPIの変更ですが、「10桁の文字数」から「20桁」または「5桁」に変更されるといった可能性がある為、未然に防ぐのは非常に難しいと言えるでしょう。

まとめ

オンプレミスからクラウドのリプレースまたは、リプラットフォーム(異なるクラウドへの移管)などをご担当される方は非常に不安を感じられるとは思います。運用後に発生するリスクを今一度理解しておくことで、より良いサービス運営に活かして頂けますと幸いです。

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