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最終更新日時:2024.01.29 (公開日:2023.04.07)

テスト報告書をこれからのプロジェクトに活かすテンプレートとは?

皆さんが書いているテスト報告書の内容に顧客は満足していますでしょうか?テスト報告書をこれから書く皆様にぜひ知って頂きたいポイントをご紹介いたします。報告書を受け取る側の思いにも触れた、テスト報告書をこれからのプロジェクトに活かすテンプレートについて解説していきます。何かのヒントを得て頂ければと思います。

テスト報告書のサンプル・テンプレートをご紹介

一言で『テスト報告書』と言っても、各企業や組織、各案件、各業種により、色々な種類/特色があるかと思います。

今回はあくまでテストでの実施結果に主眼を置いて記載した「〇〇テスト仕様書兼結果報告書」と対象のテスト工程全体に対し、不具合分析や提案推奨事項を記載した「サマリレポート」の2種のテンプレートについて、説明していきます。

〇〇テスト仕様書兼結果報告書について

【サンプル】〇〇テスト仕様書兼結果報告書

〇〇テストの仕様書と実施結果が合わさった形のフォーマットになります。※テスト結果報告書の位置づけになりますが、このフォーマットはあくまで実施結果LOGとしての位置づけとなります。

testreport_1
  • テスト観点:ソフトウェアが正しく動作するかを確認するための着眼点(切り口)を記載
  • 前提条件:テスト実施する前提条件を記載
  • 実行手順:テスト実施する詳細な手順を記載
  • 入力値:テスト実施する際の入力する値(パラメータ)を記載
  • 期待値:テスト実施した結果で想定される期待値を記載
  • 実行日(再実行日):テスト実施(再実施)した実行日を記載
  • 実行者(再実行者):テスト実施(再実施)した実行者を記載
  • 結果判定:テスト実施した結果と期待値を比較しての結果判定を記載
  • 不具合管理No.:不具合起票チケットNoや不具合管理Noを記載

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サマリレポートについて

【サンプル】サマリレポート ※目次ベースになります。

「〇〇テスト仕様書兼結果報告書」の実施結果の集計、分析並びに、対象のテスト工程全体に対してのレポートです。テストの期間、各ステータスの件数や、発生インシデントおよびその状況からの分析に加え、テストの中で抽出した次開発における推奨、提案事項を記載します。

1. 概要                   

1.1 ご依頼内容の要約    

1.2 テスト結果の全体像

 1.2.1 実施したテストの内容

 1.2.2 テスト期間、スケジュール

 1.2.3 テスト項目数と結果

 1.2.4 インシデント件数

 1.2.5 テスト完了判断の結果

 1.2.6 納品物 一覧

2.詳細報告・分析結果

 2.1 テスト実施状況        

  2.1.1 テスト実施・インシデント検出の推移(PB曲線)

  2.1.2 テスト項目消化状況 詳細

 2.2 インシデント状況

  2.2.1 機能別インシデント状況

  2.2.2 ステータス別インシデント状況

3.全体総括、ご提案・推奨事項

 3.1 全体総括

  3.1.1 テストの進捗

  3.1.2 テストの結果

3.2 提案・推奨事項        

  3.2.1 提案事項

  3.2.2 推奨事項

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テスト報告書で失敗するテンプレートと成功するテンプレートの違い

これまでに説明させて頂いた2種のテスト報告を見て頂くと、違いを感じる方がいるでしょう。どちらのテンプレートの方がテスト報告書をこれからのプロジェクトに活かすテンプレート」だと思いますか?どちらを見たいと思いますか?

※もちろん、報告書を受け取る役割や立ち位置によっては①を貰った上で、②はご自身で作成するので、①で十分と言う方もいらっしゃるかと思います。そういった方は、下記はご自身が作成時の参考として見て頂ければと思います。下記にテスト報告書で失敗するテンプレートと成功するテンプレートの違いについて、述べたいと思います。

『失敗するテンプレート』⇒ ①〇〇テスト仕様書兼結果報告書

 ・テスト実施結果のみしか記載がないため、それ以上の情報は読み取るのに時間を要する。

 ・サマライズされているわけではないため、全体完了しているのか、

残項目がどの程度あるのか、読み取るのが難しい。

 ・課題があるのか、順調に完了したのか、次案件で何を改善すれば良いかが見えない。

 ・スケジュールの遅延等、課題も把握が難しい。

 ・不具合の傾向が見えず、次Phaseへの移行有無も把握が難しい。

『成功するテンプレート』⇒ ②サマリレポート

 ・予実記載があるため、PJで何が発生し、どんな課題があったのかが理解、把握が可能。

 ・分析結果から、次PJに活かすための改善施策を検討可能。

 ・経営層への報告資料としても流用が可能。

テンプレートはあくまでテンプレート、そこに案件特性や状況に応じて、必要な項目を追加します。もしくは不用項目を削減し適切な報告書に仕上げて頂ければと思います。

テスト報告書をこれからのプロジェクトに活かす3つのポイント

ではテスト報告書をこれからのプロジェクトに活かすためには、どのようにすればいいのでしょうか?3つのポイントでまとめてみます。

1.提案・推奨事項の内容をPJメンバー全員で確認し、抜け漏れや追加事項がないかを確認する。

 ⇒品質改善は一部メンバーだけでは達成できないため、全員参加が必須です。

(状況により、経営層を含めた認識合わせも重要な要素となります)

2.提案・推奨事項においても、優先度をつけた上で、手間が多くかかる項目よりも、

  取り掛かりやすく、効果の高いものから優先的に対応する。

 ⇒手間がかかるものからの着手の場合、途中で施策が断念してしまう可能性があり、

  まずは小さい所から成功体験を積み重ねることが重要です。

3.テスト報告書の中で、次プロジェクトで対応する提案・推奨事項の詳細化と

担当部署、担当者を明確にし、次案件スタート時の計画に盛り込む。

 ⇒次案件への導入を早期に実現し、PDCAが回る体制構築検討も重要です。

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まとめ

「テスト報告書をこれからのプロジェクトに活かすテンプレートとは?」と題しまして、ご説明してまいりました。IT業界はDX対応や企業のIT投資意欲の高まりのため、IT開発人材の数が不足気味です。

よって、どの企業も下流で人を入れて何とかすると言った過去のやり方では通用しなくなっています。つまり、上流からの品質改善や案件内での課題の見える化や、早い段階でのリスクの洗い出しなどに、企業の多くは興味を持っているのです。

このような部分にダイレクトな効果を発揮するためにも、今回説明させて頂いたテスト報告書を活用してみませんか?そして、実績からの分析結果を踏まえ、上流からの品質改善を見据えたシステムづくりを目指してみてはいかがでしょうか?

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