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最終更新日時:2025.12.23 (公開日:2023.04.07)

ユーザー受け入れテスト(UAT)とは?主な観点と進め方のポイントを解説

大規模なシステム更改や、既存システムへの機能追加時など、システム開発を行った際に「ユーザー受け入れテスト(User Acceptance Test :UAT)」の実施は必要不可欠なものです。

しかし、「受け入れテストを実施することになったが、何をどうすれば良いのだろうか?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

「そもそも受け入れテストって何をするの?」

「テストは本業ではないし良く分からない」

「どうすれば受け入れテストを成功できるのだろうか」

という疑問にお答えし、受け入れテスト成功のポイントについてユーザー部門の方に向けて解説します。

受け入れテスト(UAT)とは?

受け入れテスト(User Acceptance Test :UAT)とは、要望したものが、そのとおりに出来上がっているかを確認するテストのことを指します。

「受け入れテスト」の他に、「UAT」や「ユーザー受け入れテスト」などと呼ばれることがあります。

日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織であるJSTQBでは、受け入れテストは以下のとおり定義されています。

受け入れテスト(acceptance testing)
システムが、ユーザのニーズ、要件、ビジネスプロセスを満足するかをチェックするための公式なテスト。このテストにより、システムが受け入れ基準を満たしているかどうかを判定したり、ユーザ、顧客、その他の認可団体がシステムを受け入れるかどうかを判定したりすることができる。
引用元:ソフトウェアテスト標準用語集 日本語版 Version 2.3.J02

システム開発を、住宅の建築に意味を置き換えて説明してみます。

様々な要望を出して新しく家を建てることを目的として利用した場合、晴れて我が家が出来上がった後、実際の建物を現場で確認することなく入居するでしょうか?

外観は要望した通りに出来上がっているか、間取りは要望通りになっているか、窓は注文したものが付いているか、などおそらく確認や検証をされるのではないかと思います。

システム開発もこれと同様で、自分たちが要望したものがその通りに出来上がっているかを確認することが必要で、それが受け入れテストです。

受け入れテストの観点

一般的に「受け入れテスト」と括られる「UAT」ですが、「Acceptance Test(受け入れテスト)」の前に「User(ユーザー)」と付いているところがポイントです。

受け入れテストの観点としては、要望を出したユーザーが、要望通りのシステムが出来上がっているかを確認します。

システム開発にあたっては、まず誰かの要望事項があります。例えば、ユーザー部門においては以下のようなケースです。

  • 新サービスを提供するために新たなシステムを作りたい
  • 収益改善のために、この機能を追加したい
  • お客さまからの苦情が多いので、この画面の使い勝手を改善したい

このように、自分たちが実現したい要望を出して、システム開発を依頼します。
その結果出来上がったシステムは、自分たちの目線で確認して、その仕上がりで良いか確認が必要です。

UATは、ユーザーの立場で、自分たちの日ごろの業務の流れやお客様の立場に立った操作に沿って、システムの仕上がりを確認します。

「テスト」というと、スキルを持ったエンジニアがバグを見つけ出すものという印象が強いかもしれませんが、UATは「ユーザー部門が主役である」というところがポイントです。

受け入れテストの流れ

「ユーザー部門が主役である」とご説明しましたが、実際に受け入れテストに関わる機会はそう頻繁にあるものではありません。

なぜなら、社内のユーザー部門の大半が関わるような大規模なシステム更改は、7~8年に一度というようなサイクルでしか実施されないからです。

また、毎年行われるような追加開発では、自部署に関係する案件がほとんどない、または担当として関わらないため、受け入れテスト自体に馴染みがないというユーザー部門の方も多いのではないでしょうか。

本章では、実際に受け入れテストを進めていく5つのステップをご紹介します。

3-1 テスト計画の作成

まず最初に行うのがテスト計画の作成です。

ここでは、受け入れテストを実施する期間や全体スケジュールを決定し、いつからいつまでテストを行うのかを明確にします。
あわせて、どのような状態になればテストを開始できるのか、どの段階でテストを終了と判断するのかといった開始・終了基準を定めます。
また、テスト中に問題が発生した場合の起票ルールや、開発担当者への連絡ルートなども、この段階で整理しておくことが重要です。

・テストを実施する期間、スケジュールを決定する
・テストの開始・終了基準を設定する
・問題発生時等の起票ルールや、連絡ルートを整理する

3-2 テストシナリオの作成

次に行うのがテストシナリオの作成です。

テストシナリオでは、UATで確認すべき内容を洗い出し、どのような業務の流れでシステムを操作するのかを整理します。
日々の業務フローをもとに、「どの業務を、どの順番で確認するのか」を明確にすることで、実運用を意識したテストが可能になります。

・UATで確認する事項を整理する
・確認する順番について、業務フローをもとにして整理する

3-3 テストケースの作成

テストシナリオが整理できたら、テストケースの作成を行います。

テストケースでは、各画面や機能について、具体的な操作手順を一つひとつ明確にしていきます。
あわせて、その操作を行った結果として「どのような状態になることが正しいのか」という期待結果を整理します。
これにより、テストを実施する担当者ごとの判断のばらつきを防ぐことができます。

・テストシナリオをもとに、個々の画面で実行する手順を整理する
・各手順を実施した結果、どのような結果を期待するのか(期待結果)を整理する

3-4 テストの実施

準備が整ったら、いよいよテストの実施に入ります。

実際にシステムを操作し、結果が期待通りであるか、あるいは期待と異なるかを確認していきます。
もし期待と異なる結果が出た場合には、どのような操作を行い、どのような状況で発生したのかを整理し、開発担当者へ連携します。
また、日々のテスト実施件数を集計し、計画通りに進んでいるかを確認するなど、進捗管理も重要な作業の一つです。

・操作した結果が期待通りであったか、期待と異なるかを確認する。
・期待と異なる結果が出た場合は、操作手順や発生した状況をまとめて、開発担当者へ連携する。
・日々の実施件数を集計して、進捗を管理する。

3-5 テスト結果報告書の作成

最後に、テスト結果報告書の作成を行います。

ここでは、実施したテストの件数や、OK・NGの内訳といった定量的な実績をまとめます。
あわせて、発生した不具合の傾向や業務への影響度などを定性的に評価し、総合的に見て「要望通りにシステムが出来上がっているか」「本番利用に進んで問題ないか」を判断します。

・実施した実績(実施件数、OK件数、NG件数など)を定量的に記載する
・発生した不具合事象について、定性的な評価を記載する
・総合的に判断して、要望通りに出来上がっているか、UATをOKとして良いか判断する

受け入れテストのポイント

ここまで、受け入れテストの概要と流れについて説明してきましたが、

「実際に進めるうえで、どこに気を付ければ良いのか」は多くの方が悩むポイントです。

本章では、ユーザー部門が受け入れテストを成功させるための主なポイントをご紹介します。

4-1 「業務視点」を最優先にする

UATにおいて最も重要なのは、日々の業務で本当に使えるかどうかという視点です。

画面の表示項目が仕様書通りであるか、ボタンが押せるかといった確認だけでは不十分です。

  • 実際の業務フローに沿って操作できるか
  • 業務上の判断や分岐に無理がないか
  • 想定外の操作や例外ケースでも業務が止まらないか

といった点を意識し、「実運用」をイメージしながらテストを行うことが重要です。

4-2 テスト範囲・受け入れ基準を事前に明確にする

受け入れテストでは、「どこまで確認すればOKなのか」「何をもって合格とするのか」を曖昧にしたまま進めてしまうと、後工程で認識のズレが生じやすくなります。

  • 今回のUATで必ず確認すべき範囲
  • 確認対象外とする機能や条件
  • 業務上許容できるレベル/できないレベル

これらを事前に整理し、関係者間で合意しておくことが、スムーズな判断につながります。

4-3 「不具合」と「要望」を切り分けて考える

UATを進めていると、「使いにくい」「こうなっていれば良かった」という意見が多く出てきます。

ここで重要なのは、

  • 要件を満たしていない不具合なのか
  • 要件外だが改善したい追加要望なのか

を切り分けて整理することです。

すべてを不具合として扱ってしまうと、修正範囲が膨らみ、スケジュールに影響を及ぼす可能性があります。「不具合」なのか「要望」なのかは切り分けて考えるように注意しましょう。

4-4 ユーザー部門内での役割分担を意識する

ユーザー部門が主役となるUATでは、「誰が何を確認するのか」を明確にしておくことも重要です。

  • 業務全体を俯瞰して確認する担当
  • 特定業務や画面に詳しい担当
  • 進捗や課題を取りまとめる担当

役割を分担することで、確認漏れを防ぎ、効率的にテストを進めることができます。

受け入れテスト支援サービスの活用するのもおすすめ

ここまで受け入れテストの意義や進め方、ポイントについて解説してきましたが、実際に進めてみると、

  • 受け入れテストの範囲や優先順位付けが難しい
  • 日常業務との両立で十分な工数が確保できない
  • 社内にテストに詳しいメンバーがいない

といった悩みに直面することもあるのではないでしょうか。

こうした課題を解消するために、外部の専門支援サービスを活用する選択肢もあります。

バルテスでは、ユーザー部門の負荷を軽減しつつ、抜け漏れのない高品質な受け入れテストを実現する支援サービスを提供しています。

バルテスの受け入れテスト支援とは

バルテスの受け入れテスト支援では、プロジェクトの状況や課題に合わせて、以下のようなサービスを一気通貫でサポートします。

  1. テスト計画策定支援
    いつ、どこまでテストすべきかの計画立案を支援し、実行基準やリソース配分まで整理します。
  2. テスト設計(シナリオ・ケース)支援
    独自メソッド「QUINTEE」に基づき、業務フローに沿ったテストシナリオ設計・期待結果整理を効率的に実施します。
  3. 品質リスク分析と優先度付け
    全体を網羅しつつ、発生リスクの高い箇所に重点テストを割り振ることで、限られた期間・工数でも効率的な品質確保を可能にします。
  4. 実行・進捗管理・報告支援
    テスト実施、進捗管理、不具合の分析・改善提案といった実務工程までトータルで支援します。

これにより、社内リソースが不足しがちな受け入れテスト工程を効率化し、ユーザー視点での品質評価を確実に進めることができます。

  • 社内に受け入れテストの経験者がほとんどいない
  • テスト期間が短期間で集中している
  • ユーザー部門が他の業務と並行して進めなければならない
  • シナリオ設計や優先度付けに手間・時間がかかっている

など、上記のような状況の方は、第三者による支援も検討してみることをおすすめします。

外部の品質コンサルタントやテスト専門チームのノウハウを取り入れることで、落ち着いて本番運用への移行準備を進められるようになるでしょう。

>>バルテスの受け入れテスト(UAT)支援とは

まとめ

受け入れテストは、単なる形式的な確認作業ではなく、「自分たちの業務に本当に使えるシステムかどうか」を見極めるための重要なプロセスです。

本記事では、

  • 受け入れテスト(UAT)の基本的な考え方
  • ユーザー部門が押さえるべき観点
  • 実施の流れや成功のポイント

について解説してきました。

受け入れテストに初めて関わる方や、「何から手を付ければよいか分からない」と感じている方にとって、

本記事が受け入れテストを進める際の道しるべとなり、安心してUATに取り組む一助となれば幸いです。

自社だけでの実施が難しい場合には、ぜひ品質向上サービスを提供するバルテスにご相談ください。

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